家を売る人
先日のことですが、最寄りの駅付近まで用事があり歩いていた時のこと。
駅のメチャクチャ人通りが多い大型スーパー前で不動産販売の方が大きな新築物件の看板を掲げ、戸建ての売り込みをしていました。彼が持っていた看板を見ると価格は4300万とのこと。「残り1戸で終了!」と大きく書いてあり、おおよその住所も書いてありました。
私はその住所を見て、どこの建売物件がすぐに察しが付き、その物件が売れ残りの戸建て物件であることが容易に理解できました。正直言って地元の人なら、その狭苦しい土地の物件に4000万以上も払うなんてバカバカしいと考える。
私がそれを目撃したのが昼頃。そして夕方の数時間後に同じ場所に帰ってくると、まだその人はスーパーの前の通行人に声を掛けています。それも人を選ばず徹底的に。
わたしが彼の行動に驚いたのは、明らかに4000万の新築物件なんて関係の無さそうな東南アジア系の出稼ぎ労働者風の方に声を掛けている様子を目撃した時。
もちろん、人間は外見ではわかりません。そのアジア人が新築物件に興味があるかもしれません。でも、その確率は100中1パーセントくらいでしょう。そこで私は2つのことを感じました。
1つ目はこの営業の方の粘り強さ。とにかく通行している大勢の人に声を掛け、断わられても気にしないで情熱的に営業をしている姿はすごい。しかも私が用事を済ませて帰ってくる数時間後も全く変わらず猛烈な勢いで営業を続けている。
2つ目は、どんなに頑張っても頭の使えないやつは結果なんて出せないということ。ヘタな鉄砲も数を打てば当たると言いますが、明らかに営業する相手を見当違いしている。やり方が悪くて家が売れる確率が低すぎるんです。
なら、自分だったらどうするか?
まずは自分だったらスーパーの前ではなく駅前には不動産屋が沢山あるので、不動産屋付近に狙いを定めるでしょう。そして店舗先の不動産広告を眺めている人にそっと近寄りこう言います。
「賃貸物件をお探しですか?アパートを借りるのもいいですけど、あなたのように若い人なら毎月の賃貸料で家が買えます!」
それくらいのホラを吹きながら、相手に新築購入を説得する。絶対にそっちの方が確率が高い!
彼を見ていると情熱や熱量には素晴らしいモノを感じましたが、知恵を使わないと無駄な労力ばかりで結果さえ出せません。
日常生活の些細な出来事ですが「頭を使うことの大事さ」を考えさせられる一幕でありました。
コメントを残す