明けない夜はない
先日、イベント会社関連の仲間と話をした中で印象的だった会話を紹介します。
それはケータリング会社を経営している男性。彼のことは10年以上前から知っていて、先週のウエディングで偶然に顔をあわせました。彼とは大使館のイベントやウエディングパーティーなど一緒に仕事を共にし、いわゆるサービスマン(食事などを提供する人)を派遣する会社を何十年もやってきた方。
久しぶりに会った彼は、どこかやつれて見えて「今は全く仕事がない」とつぶやいていました。もう1年近くも仕事が無く、8割近くの同業者がこの商売から去って行ったと言ってました。仕事がほとんどないのは私自身も同じような環境なので、痛いほど彼の気持ちがわかる。「あとは銀行がどれだけお金を貸してくれるか?」とも言ってましたが、これも全く同じ環境なので苦笑い。
ここまでの話は悲観的で、お互いにその場の空気が沈んでしまうような雰囲気になったのです。イベントやパーティーで苦楽を共に過ごしてきた仲間がコロナの影響によって四苦八苦している。しかし、その後に彼が吐き捨てた言葉は、非常に重圧感があり、私の動作が一瞬固まりました。
「コロナが明ければ、ウチの会社はひとり勝ちだ」そう言ったのです。
イベント関係やウエディング業界は今が一番つらい時期。もうかれこれ1年も耐え忍んで、なんとか工夫をしながら食いつないでいます。先ほどの彼も社員にアマゾンドライバーをさせていると言ってました。
しかし、明けない夜が無いように、寒い冬の後に春が訪れるように、どんな物語もエンディングを迎えるように、始まりがあればいつかは終幕がある。彼の周りの同業者は、ほとんどが商売をやめていったが、彼の素晴らしい点は結末後のその先に希望を見据え、今を必死に生き延びようとしているところ。
涙さえ出ませんでしたが、言葉が詰まってしまうほど胸が熱くなりました。
ウエディング業界しかり、イベント業界しかり、DJ業界しかり・・・私たちのような娯楽業界はコロナ禍においては、一旦生活から切り離されてしまいました。しかし、今までこの業界で働いてきた方々が人々の心を躍らせ、喜びや幸せを分かち合い、サービスを提供してきたことは確かな実績。絶対に息を途絶えてはいけない、絶対にビジネスを継続しなければならない使命があるんです。
これが終われば、生き残った我々の一人勝ち、その現実はもうすぐそこに訪れていて、紛れもない事実だと信じています。
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