必要な能力はふたつ
私は毎年いくつかのPAシステム設計に携わってきました。主に結婚式会場が多く、クラブやカフェなどの音響設計を手掛けた経験があります。
↓こちらは横浜のウエディング会場で、昨日パーティーがあり久しぶりに会場を訪れました。ちなみにこちらは私が設計したPAシステムです。
今回の仕事は音響のオペレート、要するにパーティー時の音楽や映像を操作する担当です。コロナ禍で緊急事態宣言中ではありますが、ほとんどの方が結婚式を見送る中、様々な理由があって開催に至る方もいらっしゃいます。コロナ禍でもパーティーを開催された主催者やゲストは必ずイキイキとした顔になります。そういった方達をサポートする意味でも、オペレートの仕事は続ける意義があります。
話を戻しますが、こちらの会場は6~7年前にオープンし、私が音響映像関係の設計を任されました。その前は小さなクラブのような箱で、前店舗が営業をやめて撤退する際は店内をスケルトン(建物の骨組み)に戻す契約が成されていました。なので、新規オープンの音響設計に携わる仕事では、1.以前の営業状態、2.スケルトンへ解体された状態、3.新しく内装された建築状態の3過程を見守るわけです。
このような中で建築の専門家は解体後のスケルトン状態から紙ベースの図面をもとに新しい建築を進めるのですが、それはもう職人技。設計士、大工さん、左官屋、電気屋、空調屋、塗装屋などの専門職の方がおり、それをまとめるのが現場監督。
私の役目はこの施設の音響映像システムの設計なので、他の職人さんと連携を取り、毎日現場に足を運び進行状況を把握しながら作業スケジュールを決めます。自分の作業日を逃すと取り返しのつかないことになります。例えば壁の後ろに配線を通すつもりが、壁が既に埋まっていたり・・・。
大きな改装工事で半年くらい、中には3ヵ月くらいの急ピッチで進める案件もあり、この期間は自分の工程スケジュールにピリピリしながら過ごします。。
こういった「現場」と呼ばれる場所で、一番大切なことは何だと思いますか?それは間違いなく現場監督の指揮です。現場監督の人柄、チームワーク性、スケジュール管理などの能力が問われます。工事が複雑になればなるほど、その過程で問題が沢山出ますし、作業工程のスケジュールが密接に入り組む。
しかも監督は職人という非常にこだわりの強い人間(良い意味で)を大勢扱うことになり、これはもう完全に男の世界。監督される側としては、どれだけ技術があってスゴイモノが作れたとしても、自分主義の協調性のない仕事人は監督側から見れば使いにくいヤツ。
監督する側、そしてされる側。職人の世界は微妙なサジ加減で成り立っています。ただひとつ言えるのは現場はチームワークで成り立っているので、コミュニケーション能力というスキルはここでも絶対的に必須科目。
どんな業種も、どこの世界も、仕事を進める基本は専門スキルとコミュニケーション能力のふたつと言うことです。
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