2022-09-08

ストリートファイター

本日のヤフーニュースを見ていると、元ミドル級世界チャンピオンの竹原慎二さんがケンカ自慢で乗り込んでくる不良グループを二度と相手にしないと宣言していました。

竹原慎二“死んでも知らんで?”ジムへの乱入者を鉄拳制裁!「次から通報します」

YouTubeチャンネルで大人気の竹原さんですが、現在50歳という高齢にも関わらずケンカ自慢の若者が次から次へと竹原ジムに乗り込んできてはスパーリングをせがまれることにうんざり。いい加減にしてくれ!と声を上げています。

しかし、竹原さんのYouTubeチャンネルを見ていると、ケンカ自慢が乗り込んでくる動画がぶっちぎりの再生数を誇っているという矛盾もある。客観的に私が一番面白いと感じる竹原さんの動画も、やはりケンカ自慢と竹原さんとの戦い。最初はイキがって威勢の良い兄ちゃん達が次々とボコボコにされる姿が軽快に映る。

私も17歳~23歳くらいまでボクシングをやっていたので理解できますが、その辺の腕っぷしの良いとされている街の不良がボクシングの選手に敵うわけが無いんです。ボクシングの選手は日々練習をしてるんです、自分よりも強い相手を倒すための・・・ましてや世界チャンピオンにまで登り詰めた選手ならなおさら。竹原さんの現役時代を知っていますが、メチャクチャ肝が据わっていて、にらまれただけで殺されるほど怖い人物像でした。

私も昔はナメられるのが嫌いで、売られたケンカに乗ってしまったことが何度かある。1回目は忘れもしないニューヨークのハーレム街にあるボクシングジムで相手はヘビー級の若い黒人ボクサーでした。

17~18才当時の私の体重は57キロ程度。対して相手はヘビー級ですから90キロ以上はあり、その差は30キロにも及ぶ。でもその時の自分はナメられた怒りをおさめることが出来なかった。当時の私は人一倍ボクシングの練習をしていたので「絶対に負けるわけが無い」と思ったんです。

黒人ばっかりのボクシングジムに肌の白っぽいのは自分だけ。いざ2人でリングにあがって3分2ラウンドのスパーリングを開始「チーン」とゴングが鳴りました。私は相手の攻撃をよく見ながら攻めて行き、滑り出しは好調でした。しかし途中で1発相手のパンチが私のテンプル(こめかみ)にモロに入った。

それは今まで私が受けたことのないような重いパンチ。例えて言うなら全速力で10メートルを走ってコンクリートの壁に向かって頭をぶつけたような衝撃。崩れ落ちそうになりましたが、なんとかこらえた。周りの野次馬達(と言ってもボクシング選手)はヘビー級の選手に向かって「体重差が全然違うんだから、そんなにマジで殴るのはよせ」と言っているのが聞こえました。

勢いだけは良かった私ですが、その選手に完敗。とても悔しい思いをしましたが、彼は試合の後に私のところに来て「お前スゲー良かったよ。ビビちゃった」と言ってくれるあたり、やはり同じボクシングを志しているスポーツマンだと感じる出来事。

格闘技の選手は毎日血のにじむようなトレーニングに耐えながら訓練を積んでいるので、ケンカ自慢という領域からはかけ離れています。例えて言うなら近所の少年野球と大リーグくらい違う。もし本気でストリートファイターになりたいと考えているケンカ自慢の方は、一日でも早く格闘技のジムへ行って、その才能を開花させるべきです。


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