逃げるが価値
先日夜のニュースを見ていた時のこと
私も携わっている映画界の監督業務。皆さんご存知のように監督という職権を利用して俳優を目指す役者たちにセクハラを持ちかけると言うひどいニュースをあちこちで聞くようになりました。これは日本に始まったことではなく、数年前から”Me Too運動”という世界的なムーブメントとして訴える人が続出しています。
要するにここ最近の話ではなく 映画産業が拡大するにつれ、配役を求めて監督などの権力のある強い立場の人が自分の職権を乱用すると言う出来事が相当昔からあったのでしょう。
そこでテレビに出てきたのが、おっと私も知っているこの人。なんと、園田さんではないですか!園田監督のセミナーには何度か足を運んでおりますので、このよう取り組みにいち早く応じているのはなんだかうれしい。
早速、業界的にはセクハラやパワハラなどの対策が急務として問題解決に向けて動いていますが、そもそも男尊女卑の価値観が根深い日本で、この問題は一筋縄ではいかない可能性がある。
数日前に聞いたニュースではオーディションと称して、応募に来た女性にキスをさせた偽プロデューサーが捕まったり、数か月前に報道され発覚した榊英雄や園子温といった過激なセクハラリストは氷山の一角で、他にも息を殺してセクハラの発覚を隠滅しようとしているヤツは少なからずいて、しぶしぶ泣き寝入りした女性も沢山いるのかと思うと、なんだか人の上に立つ監督業が情けなくなる。
今年4月には、是枝裕和監督や西川美和監督などが立ち上げた『映画監督有志の会』が、日本映画製作者連盟に対してハラスメント防止を目的とした提言書が発表。その中にはキャスト保護のためインティマシーコーディネーターを導入する内容が含まれる
このインティマシーコーディネーターの仕事とは、例えば脚本家が「激しく抱き合う」という台本に対して役者が演じる時、どれくらい激しく抱き合うのかを中間に入って取りまとめる人のこと。そもそも「激しく抱き合う」って抽象的な表現で、ただ抱き合うのか?キスはするか?それとも押し倒すほど激しいのか?とかね・・解釈は人それぞれ
私が知っている身近なところでも、作品制作時に役者さんを募集する際はまるでキャンセルポリシーのような要領で、ハラスメントについての取り組みを提示する義務が必要になった。過酷な制作現場の労働環境の改善はもちろん、役者の体が接触するシーンや露出の多いシーンでは作る側と演じる側の認識に相違が無い事などが盛り込まれてる
立場の弱い人が損をするのは映画業界だけじゃなくて、社会全体の問題。会社でも学校でも組織の中でも、少なからず皆が理不尽な経験を通してわかっちゃいる。
そんな環境にガマンしたり、バカ上司と同じ空間を共にしたり、事が起きて泣き寝入りする前に、自分だったらその環境から1分でも早く距離を置くことを勧めたい。
そういった環境に身を置かない。そういった人物には近づかない。
誰かが助けてくれる可能性は極めて低いから、自己防衛は自分自身で。それよりも、もっと素晴らしい環境がその先には待っていると信じ、今身を置いている環境から脱するべき。私の場合、それが一番の方法と過去の経験が教えてくれた。
逃げたら負けじゃない。逃げる方があなたにとって勝ち(価値)のあることです。
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