2021-06-08

戦士を育てる

仕事を教える立場になると誰もがぶつかる問題だと思いますが、教える難しさってありませんか?

特に私の仕事のようなマニュアル化が難しい技術職や専門職にとって、初めてその仕事に就く方にとっては「膨大な量」の覚えるべきことをひとつひとつ集約して教えるのは至難のワザ。

教える方は順を追って丁寧に、しかもあまり一気に詰め込み過ぎるとギブアップされてしまう。特に最近の若年層は少し厳しく教えると離職にもつながりかねませんから、感情移入は禁物。淡々と根気よく、ガマンをしながら教えるわけです。職場を去られると、これまでの努力とお金が一気に吹き飛んでしまいますからね。

アメリカの先生と教え子の関係性で、アメリカでは教えた側の責任が問われることが非常に大きい。スポーツ選手のコーチや監督、大学の講師など教える側の責任の重さは日本の比較ではありません。結果を出せない教え子に対してはコーチの責任が問われ、解雇されることさえあります。結果を出せないのは教わる側の能力よりも、教え方の能力低い、と考えるのです。

私のような音楽演出に対しては元々の感覚的なセンスが問われるため、教える期間よりも個々に備わっているセンスがモノをいいます。今までにどれくらい音楽と私生活が結びついているか?音楽に対してどれくらい向き合ってきたか?どれくらいの音楽量を聞いてきたか?など、要するに勉強で解決できる範囲を超えているんです。だから会社に入って1カ月とか1年で一人前になるのは、ほぼ不可能。1年でできる事といえば、そいつの芽を発芽させることくらい、あとは自分で育ててもらうしかない。

よく考えると自分だってこの仕事を始めた時はド素人の時代があったはずですが、それは昔のこと。今の自分にとって、目の前の新人は何がわからないのかが私にはわからないんです。自分にとっては当たり前にわかっていることでも、その新人にとってはわからない。だから「まずはそこからか~」って具合に、基礎の手前の背景に戻って説明をしなければならないんです。

ひと昔前のように、皿洗いが鍋に残ったスープを味見して調理法を盗む時代ではありません。殴られたり、蹴らりたりしながら仕事を覚える時代は終わりました。

良い人材を育てるには、教える側の人間性やテクニックがモノをいう時代。ハングリーに技術を身に付けたいと考える若年層が減っている現代は、教える側が親切丁寧に育て、一人前の戦士に育て上げる・・・そういう時代です。


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