クラズナ―メゾット
催眠療法を行う上で、米国催眠療法協会の創立者クラズナー博士が書き下ろした以下の本は、バイブルともいえる1冊。非常に参考になったのでご紹介します。
A.Mクラズナー著 あなたにもできるヒプノセラピー
この本を読み進めるにあたり、読書中に思わぬ出来事が起きた。私は普段からよく本を読む。本書「あなたにもできるヒプノセラピー」は250ページほどの本で普段なら1日~2日で熟読できるレベル。しかし何が起きたか?この本を読んでいると催眠状態に入ってしまい眠くなってしまうのだ。最終的に最後まで読み切るのに1週間もかかってしまったから面白い。
本の作者は米国催眠療法協会の創立者、クラズナー博士であることから、ヒプノセラピーの基礎を学ぶテキストとして何度も読み返しが可能な大変参考になる書籍となる。
◇この本を通じて得た学びは大きく分けて以下の4点。
1. 暗示の種類については以下のような種類に分別している点
直接的な暗示、間接的な暗示、推し量らせる暗示、権威的な暗示、感情的な暗示、社会的な暗示、決まり文句、現実化する比喩、否定的な暗示
チェックポイント:これほどまでにタイプの違う暗示があることに気付かなかったが、私達は日頃よりこのような暗示にかかっているのは事実。
2. 人間には以下のような個別の学習チャンネル特性がある。
視覚タイプ、聴覚タイプ、感覚タイプ
チェックポイント:催眠時はクライアントの特性や問題点を識別し、暗示の提供法を使い分けることは催眠誘導のうえで重要。
3. 暗示文章の作成は施術者と被験者の双方にとって最も重要な作業。以下のルールは絶対的な基本である
肯定的である、具体的である、現実的である、繰り返しの必要性、現在形である。
チェックポイント:具体的な事例で説明が加えられ、想像力を働かすことができれば容易に理解が出来る。施術者はクライアントとの信頼関係を構築後「暗示文章」が明確に表現できれば、暗示療法としての成功率は格段に上がると確信する。
4. 誘導時に催眠状態へ入る特徴として、以下の5つの共通要素がみられる。
身心のリラックス、意識的注目範囲が狭くなる、感覚的な気付きが上昇する、物理的環境の気付きは薄れる、内面感覚の高まりが起きる
チェックポイント:私がイーハトーヴクリニックのセミナーを受講し自分が経験した感覚。この感覚こそが催眠状態であり、自分の潜在意識へアクセスする方法である。
◇まとめ
その他、誘導に関するテクニック、更に催眠を深める誘導、自己催眠の活用、目的別の暗示例については具体的な事例をあげて解説をしている点で非常に参考になった。何事も練習が必要であり、経験を積むことが最も大切。そのための参考書として本書は大変参考になる。
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