ロングゲーム
Dorie Clark著「The Long Game」(ロング・ゲーム)のオーディオブックを聞き終えて。
著者のドリークラークさん(女性)はエグゼクティブコーチであり、ハーバード・ビジネス・レビューへの定期的な寄稿や、デューク大学での経営者教育を担当するなど活躍している人物。 米国大統領選挙のスポークスウーマンを務めたり、グラミー賞を複数回受賞したジャズアルバムのプロデューサーを経験するなど、この本でも何故そのような経緯を持つことになったのかが説明されている。
ロングゲームは「今、自分にとっていちばん意味のあることをするために」という日本語のサブタイトルが付いていて、ダイゴさんが紹介したことで日本でもベストセラーになったようだ。 大きな目標に向かっていくためには短期的な利益を優先するよりも、長期的な戦略で人生のプランを計画する思考の大切さを説いていて、その考え方をタイトルで表現されているロングゲームと呼んでいる。
彼女は外見からわかるように非常に男性的で、バリバリと仕事をこなし、資本主義の競争にもみくちゃにされ、他人との競い合いに勝利することに重きを置いているように感じる。コロナ以前の典型的な西洋思考で、エリートを目指す方にはおすすめだが、私はこの考え方はそろそろ終わりを迎えるのではないかと思う。(ちなみに本書が発売されたのは2022年7月)
時間をいかに有効に使うか、人脈構築、人間関係にレバレッジをかける、また将来のために長期的なプランを立てたり、最終的には自分にとって意義のある人生を送るためのイロハを彼女の経験を通じて惜しみなく記録されているが、これと言って斬新さや目新しいことは特に感じなかったが、人生は長期的な戦略を立てることで必ず目標は達成できるという以下の考え方は賛成だ。
ロングゲームをプレイするための3つの鍵
結局のところ、ロングゲームで一番大切なのは「メンタル」。強い心で失敗を受け入れ、不遇の時期が長く続いても耐えなければならない。結果が出るまでには時間がかかるからだ。ロングゲームに必要な資質は大きく3つに分けられる。
1. 独立心
ロングゲームとは根本的に、自分自身と自分のビジョンに忠実であること。他人からの評価を基準にしている人はその待ち時間に耐えられない。強い心でロングゲームをプレイするには、他の人に何を言われても関係ない。自分の中に自分の評価基準を持つことが大切。
2. 好奇心
他人が敷いたレールに乗って満足できる人もいる。でも私たちの多くはそんな生活に満足できない。自分の進む道を分かっている人などほとんどいない。自分にとっての正しい道を見つけるのに必要な資質が好奇心。自分は自由時間にどんなことをしているか?そこから本当にやりたいことのヒントが見つかる。そして、いずれその分野で大きな貢献をすることも可能になる。
3. 立ち直る力
何か新しいことがうまくいくかは、やってみなければわからない。多くの人々は一度の拒絶や失敗で意欲を失う。大学を落ちただけで一生が終わったかのように思う。偶然、運、個人の力が状況を左右することがはるかに大きい。ロングゲームをプレイするには、確固とした再起力が必要。最初から思うようにいくことはめったにない。プランB, C, Dなど方法を変え、成功するには粘り強く打席に立つこと。
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