2020-12-06

実話 本当の怖くてつらいこと

怖いモノ・・・ないですね。お化けくらいでしょう。

若いころに救急救命センターで夜間のバイトをしていたことがあります。その病院は3次救命といって、近隣から最も重度の患者さんが救急車で運ばれててくる場所に指定されていました。交通事故の方、脳梗塞など一刻を争う方、自殺未遂の方も沢山運ばれてきましたし、薬物中毒や包丁で刺されたような方なども運ばれてきました。

大きい病院だったので、救急で運ばれてくる患者さんの中には通院歴がある方がいらっしゃり、そのような方の過去のカルテを見つけるのが私の仕事のひとつでした。

5年以上通院歴がない方は、病院の地下2階の遺体安置室の隣の部屋にカルテを取りに行くのですが、その部屋が最高に怖い。夜中の2時とか3時に真暗い部屋に懐中電灯を持ってカルテを探しに行くんです。年中どんよりした湿った空気が漂う場所で、鼻を突くような嫌なにおいがする場所。今思い出してもゾッとします。

病院内全体に感じていたのですが、人はどこにも居ないのに人の気配を感じる時が私には頻繁にありました。昔から直感が強かったので、決して気のせいではなく、本当に目に見えない人が存在していたんだと思います。

その中でも最高に身震いしたのが、子供の気配を感じた時。夜中なので誰もいない病院内に子供が一人でウロウロしている訳がありません。でも、顔こそは見えませんでしたが、確実にそこに子供の気配がありました。

世の中には突然の死を迎え、自分がまだ生きていると錯覚している魂が存在します。救命センターに運ばれてくる方の中には交通事故に会って命を落とす子供も含まれており、その親が病院の受付に来るときほどツライ瞬間はありませんでした。私は受付でそのお子さんが既に亡くなっていることを知っており、親はまだ何が起こったか全然知らないで駆けつける。もちろん、私の口からではなく医者が全てのいきさつを説明するのですが、診察室から我が子の死を知った親が泣き叫ぶ声が聞こえてくると、どうしょうもない気分になったものです。

わたしは他の人よりも若いころから仕事をしているので、過去に生きていくために本当に様々な仕事をしましたが(恐らく30回くらい転職してます)、これほど精神的にキツいと思う仕事はありませんでした。

過去に体験したようなキツい仕事の話をすると1冊の本が書けるほどネタがありますが、最終的には好きなことをやりながら生きており、今はつくづくハッピーな人生だと感じます。


にほんブログ村 音楽ブログ DJ(クラブ・ディスコ)へ

関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください