K-Ci & JoJoインタビュー思い出
私が昔、音楽雑誌のライターをやっていた時の話。
私がライターをやっていた時は、同時にミュージシャンとしても活動していました。アメリカのR&Bが大好きで、中でも当時流行っていたK-CI & JoJoという兄弟のシンガーに憧れていた。
で、その兄弟が来日をすることになり、私が彼らにインタビューをやらせてもらう機会があったんです。私自身もシンガーとしてデビューをしたばっかりで、K-CI & JoJoとの対談企画という形で販売促進の意味も含んでいた。
でも彼らは別格のオオモノ。当時の彼らは「All My Life」という曲が流行りまくっていて、グラミー賞のノミネートを始め、ビルボードのシングルチャートで1位にランクインしている絶頂期でした。
K-Ci & JoJo – All My Life
そして、彼らの来日ショーが行われた翌日にK-CI & JoJoの宿泊しているホテルの一室で私とのインタビューが行われる予定でした。
私はめっちゃくちゃ気合を入れて臨んだのですが、当日になって彼らは取材を直前拒否。どうやら体調が悪いとのことで、その企画は危うく流れてしまうところでした。
それでもレコード会社の方が彼らのマネージャーに何とか交渉してくれて、何時間か後になって取材のOKが出たんです。それは嬉しかった・・・
で、彼らの部屋へ行くとなんと驚く光景が!
実は彼らはショーの後のアフターパーティーではしゃぎ過ぎたらしく、二人ともメッチャ酒臭い。要するに二日酔いだった。体調が悪いとはそういうことでした。
当時、私はライターの仕事にそこまで慣れていないこともあって、インタビューは当たり障りのない答えをもらって終了してしまった。今になっても何を質問して、何を話したかを全然覚えていないし、思い出せない。
ただ、ひとつだけ私の質問したことに対して、意外な答えが返って来て覚えていることがある。
それは一番最後に答えてくれたメッセージ的な質問に対してのアンサーだった。
K-Ci「ボクは毎朝目が覚める時、とても新鮮な気分で一日の始まりを迎えている。そして今日も新しい朝を迎えることができて神様に感謝してるんだ。」
と言葉を放ったんです。
それは二日酔いの彼らの口から出てくる言葉としては意外過ぎた。
でも、今考えたらその言葉がウソじゃないことが理解できる。というのは、自分も毎朝そのような気分で朝を迎えるようになったから。
若いころは朝を迎えるのが苦痛だったし、また今日が始まる・・・と、憂鬱な気分になったもの。
でも今は違う。
毎日がいつも新鮮で、新しい感覚で過ごしているし、特別なことが無くても生きているだけでありがたいと思うようになった。
彼らとのインタビューを思い出して、何十年か経った今になって理解できるようになった感覚。遅すぎやしねーか?とは思うもの、ちょっとは成長した自分が垣間見れる思い出でした。
コメントを残す