2022-08-05

セミのように

小学校の頃に経験した夏の思い出をお話します。

私は北海道の旭川市という中途半端な田舎に住んでいたのですが、真夏に近くの森林公園へ行くと木の根元に沢山の穴が空いている。「これはなんだろう?」と思っていると友達が「この中にセミ幼虫がいる」と教えてくれました。

そして指で土をほじくっていくと、いたんです。セミの幼虫が。

私はなんとかして家に持って帰り、大きなガラスのケースに入れておいたんです。そして2~3日が経過したある朝のこと。確か早朝5時くらいだったと思います。

自分の目を疑ったのですが、そこには白い蛍光色のように光りながら脱皮するセミの幼虫が!なんと幼虫だった自分の殻を破ってセミの成虫になろうとしている瞬間でした。

その姿があまりにも神秘的で、私は目が釘付けに。ゆっくりと、少しずつ自分の殻を脱いで新しい姿に変身している。更にその神秘的な姿は日の出の太陽に照らされ、子供の私にはこの世に存在するもので最も美しい姿に映りました。

この記憶は大人になった今でも鮮明に思い出せる。だからセミの幼虫や抜け殻を見ると、その時のことを思い出す。セミの抜け殻が落ちていると、無視して通り過ぎることが出来ないんです。

先日のロケを行った撮影場所は思いっきり田舎だったので、辺りはセミの鳴き声ですごい音。木を幹のどこを見てもセミは見つかりませんでしたが、とにかくどこかから鳴いている。

土の中で7年過ごして、外に出たら7日間の寿命。短い命ですが、地球上に出てきて生きていられる瞬間が嬉しくて仕方ないのでしょう。セミの活力ってパワフル、私にはそう捉えられる。

撮影中の忙しい時間に見つけたセミの幼虫。滅多にお目にかかれないヤツ、だって抜け殻じゃない

この幼虫、私が見ていると駆け足で走っていて途中で転んでしまったんです。逆さになって、なかなか起き上がれない。

だから起こしてあげた。ここで成虫になる前に命が尽きてしまったら・・・まだ羽を生えて飛ぶことも知らないのに、これじゃ可哀そう。で、起き上がったら、また元気に駆け足でどこかに走って行った。

そんなセミの姿を見てたら、自分もセミみたいに与えられた時間を大切にして精一杯生きていたいと思った。


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