1万円札を破る
こんな本を読みました。お金は生き物で大切に扱わなけばならない、お金に感謝して嫌われないようにと教えられてきた私にとっては衝撃の1冊です。
ドクター苫米地(とまべち)よ、一体何をおっしゃるのだ!とタイトルを見て思いましたが、読み進めていくと彼独自の理論が成り立ってます。切り口が鋭過ぎて、読者の意見は賛否別れるところですが、わたしはとても参考になりました。
まず驚くのはお金の歴史を紐解く中で、銀行業務を合法な詐欺集団呼ばわりする冒頭。銀行がどのように利益を得ているか、世界の富を握っている一部の大金持ちがどのようにお金で洗脳を仕掛けたか?について具体的な話が続く。
私たちはモノやお金の価値を情報空間によって操作されており、情報空間は洗脳によって植え付けることが可能なこと。例えばお金に価値があるというのは多くの人がそのように信じているから価値があるだけで、明日から地球に自分しかいなくなったら、お金の価値なんてゼロに等しいということ。
世の中には物理的な価値と情報的な価値の2種類があり、例えばリンゴ1個というのは物理的な価値で、その値段を100円だとする。情報的な価値とは「青森産のサンふじ」となると一気に200円に価値が上がり、これが情報によって後付けされた価値という説明だ。
またはシャネルのバックも、アディダスのバックも機能的にはバックの役目としてはさほど変わらないが、シャネルというブランドの情報によって価値が高くなる。このようなことをお金に例え、ひとことで洗脳と断言している。だから一度でいいから1万円札を破ってみれば、お金の洗脳から解放される機会になる、というのだ。お金の価値は人が決めるモノで、それ自体に価値は全くないと・・・
さらに突っ込んだ指摘では、自分の殻を破って本当に好きなことをやって価値を生み出し、その価値を世の中に提供すること。親や学校の先生など他人によって書き換えられた自分の価値をもう一度見つめ直し、自分の本当の価値を生み出して、自分も幸せになれることの可能性を説いています。そうすればお金は好きなだけ稼げるものだと。
苫米地さんの本はどれも内容が濃すぎるので、途中で頭を整理しながら読み進めていかないと深い理解が得られません。しかし、何度か読み返して理解できるようになると、その思考力の深さに驚きさえ覚えます。
お金に縛られない生き方、お金の観念を自由に。お金と自分の付き合い方を探る上で良い参考書になります。
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