2020-12-01

おとなの参考書

数年前まで雑誌で音楽情報誌の評論を担当していた時期があります。長く細く20年くらいは担当させてもらいました。その時に感じたことで「文章」についてお話します。

これは世に出ている様々な本に書かれていることですが、話す相手に言いたいことや伝えたいことを短くわかりやすく説明するのは技術が必要です。

私は毎月リリースされるCDの評論をしていたのですが、ページ数の関係で1つのCDに対して150文字以内に収めてほしいと伝えられた時期があります。文章を書いている人ならわかると思いますが、150文字ってすごく少ない。それまでは200文字だったのがさらに減って150文字になったわけです。

アーティストが心を込めて仕上げるCD(アルバム)は長い制作期間や多くの人を巻き込んで世にリリースされます。ほとんどのアーティストにとって、アルバムは生涯をかけた作品になります。それをたったの150文字で読者に伝えるということは至難の業。

文章は、だらだらとした長い文章よりも、短くて簡潔な文章の方が技術が必要。それは会話や交渉術も同様で相手に伝わる文章や言い方の引き出しをどれくらい持っているか?ということ。

「短く、簡潔に」がポイント。要点をずばり押さえて、余計な言い回しは全て削除。デスマスも不要。

私は最近は久しぶりに文章を考える機会があり、図書館に足を運んで参考にしたのが子供用の絵本。

子供に話の内容を分かりやすく伝えることができるということは、誰にでも理解ができる文章ということ。さらにそこに描かれている挿絵はピンポイントでイメージができるように工夫されている。これこそ相手にモノを伝える極意本だと思うんです。

久しぶりに手にした絵本ですが、見ているとついついその世界観に引き込まれてしまう。余計な言い回しが一切削ぎ落され、想像力を高めるのにもってこい。だまされたと思って本屋へ立ち寄った際は、立ち読みをしてみてください。

大量の絵本を持っていると、変人扱いは避けられませんので、要注意ですが・・・


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