2020-11-02

DJの仕事とは

めちゃ久しぶりにDJの仕事について話をします。自分の職業だというのに、全然ブログで本職に触れていないので最近は若干の罪悪感はありました。

ほとんどの方が職業DJについて、はっきりとした理解をしていないと思います。私は初めて会う人に自分の職業がDJと名乗ると皆さん同じリアクションで(レコードをスクラッチする真似をしながら)「DJってクラブとかだよね、どこで回してるの?」みたいな質問を7~8割の人が投げかけてきます。まだまだ日本ではDJ=夜の人、みたいなイメージが強いので仕方ありません。

私自身は夜のクラブで定期的に回すような仕事はしてませんし、だいたい回すって言葉があまり好きではない。皿回しじゃあるまいし、あまり使いたい言葉ではない。

それは置いておいて、DJの本来の仕事はその場の空気を作ること。パーティーだったら盛り上がる空気を作る。男女のディナータイムにはムーディーな空気を作る。ウエディングのセレモニーなら優雅な空気を作る。つまりDJの仕事とは空気の製造マシーンなんです。その場の流れを感じ取って、それに相応しい空気を作る。

もっと細かく言えば、盛り上がるパーティーDJの仕事だったら、そこに参加している年齢層を読み取って彼らが最も盛り上がる音楽をプレイする。10代なのか、40代なのか、またはバラバラの年齢層が混じっているのか?それは毎回状況が違うし、日本人ばかりとも限らない。南米の人が混じっているかもしれないし、ヨーロッパの人がいるかも。ヨーロッパでも北欧なのかアフリカ寄りなのか?それによって全然状況が違う。ほとんどのDJはそんなことまで知識がないので、彼らを盛り上げることはできない。

だからDJ=空気製造マシーンというのは、昨日からDJを始めました!みたいな人が務まるわけがない。世界の文化や音楽の歴史、そして膨大な音楽データが頭の中に蓄積されていないと仕事としてのDJは務まらんということです。趣味でやる分には問題ないが、お金をとってはいけない。それが職業DJならば。

もしカリスマDJやアイドル的なDJならば、その人のキャラクターに人が集まるので、それはOK。しかし、そんな存在のDJは1万人に一人くらい。今はどれだけ有名なDJでも、DJの名前だけで人を集められる強烈なキャラクターはいません。どんなDJも大手のサポートや周りの声掛けがあるからこそ集客ができる。それを勘違いして、自分の手柄だと思っている人は多い。

結局のところDJも他の仕事と同じで、約束を守って信頼関係を築いた人に次の仕事が来る。DJの仕事の最大の報酬は、次のDJの仕事である。お金や名声ではなく、毎回期待に応えて良い仕事をする見返りは、次の良いDJの仕事。この小さな積み重ねがプロフェッションルな職業DJになるための一番の近道だと私は信じている。


にほんブログ村 音楽ブログ DJ(クラブ・ディスコ)へ

関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください