Chance
犬飼ターボ氏が2005年にリリースした処女作「Chance」をオーディオブックで聞きました。本だと352ページ、オーディオブックでは8時間半の大作です。
ビジネス書という以外、事前の情報無しで聞き始めたので何について書かれた書籍なのか最初は分かりませんでした。聞き進めると、物語り風になっていることに気付く。
登場人物のキャラクター設定がしっかりしていて、ストーリー展開が面白いことから、ようやくこの本が完全な実話でないことに気付きました。
今まで自分が読んでいたようなビジネスのハウツー本ではなく、20代の冴えない若者が苦労しながら成功を手にしていく・・・そんな物語り。これは映画にしたら面白いのでは?と思ったのは、自分が映画を作りたくて面白い脚本を探しているからでしょうか?
作者の犬飼さんはオーディオブックの特典インタビューで以下のように語ってました。
「私は今までに本なんて書いたことが無かった。だから書き方も分からなかったし、何度もも何度も書き直した。ただ映画は沢山見ていたから、感動する映画からヒントを得てストーリー構成の役に立てた」と。
ビジネス書のように淡々と作者の考えを伝える手法とは違い、ストーリー仕立てで成功法則を書き上げるとは面白い。テレビドラマのように次の展開が気になって、ついつい夢中になって読み進めてしまうではないか。
またフィクションなので、最後の結末は感動的なシーンで〆ることができるのも新鮮。役立つビジネス書は沢山あるけど、感動的なビジネス書は少ないですから。
この本の中で個人的に興味を魅かれたのは以下の言葉(作者の意図とは全く関係ない箇所と思われます)
・好景気で儲かるビジネスは「快楽を与える」職種
例)レストラン、旅行、不動産など
・不景気で儲かるビジネスは「痛み・不安」を取り除くビジネス
例)医療、教育など
これは冷静に考えて、コロナ時代にも当てはまると感じます。私の商売であるDJ業とかイベント関係は「快楽を与える」の方ですから、直下型の地震みたいに打撃がありました。また、人は悩みや不安を沢山抱えている人ほど、その問題を解決しようとしてお金を騙されたりする点を考えても納得。本書の本題ではないポイントですが、自分にとっては妙に引っ掛かったフレーズでした。
それと、起業家の基本的な考え方ですが
・投資が先、消費は後
この言葉を聞くと「最近ヘンなもの買ってないかな~」と一瞬ドキっとさせられます。先日私が購入したエンジン付きの草刈り機は何かの役に立つのか?と頭をよぎります。
私が知っている数少ない周りの金持ちを見ていると、価値の無いモノや無駄なモノには一切お金を出しません。その反対に「これだ」という理解不能なことに投資をして、後からお金を稼いでいる姿を見た時にその理由がわかります。要するにお金を支払う価値観がハッキリと線引きされている。
全然、本とは関係のないレビューになりましたが、概要を知りたい方は以下の動画をご覧ください。20代~30代の起業家を目指す方には大変おススメで、それ以上の既に起業家の方には少し物足りなさを感じるかもしれません。
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