脚本とボクシング
私が通っているシナリオスクールの教室内で面白い張り紙を見つけました。
シナリオ・センター、 ここはジムです。
僕の好きなボクシングは、 ジムで選手を創ります。
ボクシングでは、いきなりリングに選手を立たせ、戦わせはしません。
リングに上がる前にロードワークでスタミナを、 縄跳びでフットワークのさばきを、パンチングボールを叩いてタイミングの感を、サンドバッグを叩いてパンチをつけさせます。
ひとつひとつ選手の弱いところや癖に従って、力をつけさせるのです。
ところがシナリオでは、素人でも250枚の原稿用紙を平気で汚すことができます。書いているのではありません。汚しているのです。
シナリオを書くことを甘く考えてはいけません。そこを間違えないでほしい。間違えを犯さないためにジムがあり、練習法が20枚シナリオなのです
新井 一 (1969年シナリオ・センター誕生前に)
以上のことが記されています。
私も10代のころからボクシングをやっていたので、この例え話は手に取るように理解できます。シナリオライターは技術を身に付けるためにボクシングや他のスポーツと同じように訓練することが必要と唱えています。
シナリオライターは普通のモノ書きと違って、表現方法が特殊なので、寝て起きたら書けるようになってた・・・という話は絶対にありません。
疑問に思った方もいらっしゃると思いますが、この文面に出てくる「20枚シナリオ」とは物語のシナリオを200文字×20枚=4000字にまとまたものを指します。
4000字といえば作文用紙で10枚分、映像にすると1枚400字で1分制作できるので10分くらいの映像という基準でしょうか。
こちらの本科に通っている在校生は卒業までに「20枚シナリオ」を50作仕上げるとのことですから、それだけでもかなりのトレーニングになりそうです。
「とにかく書き続けること」先日の授業で先生が何度もおしゃっておりました。
考えたら当たり前、調理師でも弁護士でもDJでもスポーツ選手でも、毎日毎日のトレーニングは必須。地道にやり続ける以外に上達の道は無いということです。
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