一瞬にして空気が変わる
わたしは日本の義務教育を経て高校へは行きませんでしたが、受験はしました。受験を受ける学校で個別に面接があり、その面接での出来事を数十年経った今、突然思い出したので記事にしようと思います。
受験と言えども15~16才の時期に面接を受けること自体全く慣れていませんし、人生初の出来事です。インターネットの無い時代ですから、面接という未知の体験を検索することもできず、何も情報がないまま当日を迎えました。
面接会場は生徒3~4人のグループ1組に対し大人が3名ほどだったと記憶しています。面接官があれやこれやと質問を投げるのに対して、生徒が一人一人順番に質問に答えて行くといった形式でした。
そこで忘れもしない出来事が起きた質問が以下のような内容でした
「最近の新聞やニュースで気になることはありますか?」
私が質問に答えるのは一番最後。最初に質問に応えている生徒の中にはパンダの赤ちゃんが生まれて嬉しいとか、その手の答えが一般的でした。私は何と答えたか??
私にとっては非常に気になる関心事をそのまま口にしただけ。それがこのような答え
「アフリカで発症したエイズは海を越えてニューヨークなどの世界各国で大流行しているようです。エイズは治療法がなく死にいたる病気ですから、セックスの時はコンドームを使って避妊をしたり、感染予防することが今後は大切だと思います」と。
その時、最初は穏やかに聞いていた面接官の顔がみるみる変わり、目はまん丸になり、息を深く吸い込む音が聞こえました。面接官が深く吸った息は今にも止まりそうで、若い私もこれはただ事ではないという空気感に包まれ、その場の雰囲気が一変したことに気付きます。
面接官達は大きく見開いた眼でお互いの顔を見ながら開いた口が塞がらない様子。私への何のコメントもないまま次に進みました。
自分にとっては正直に答えただけですが、大人の反応があまりにも強烈だったので、その反応は今でも一枚の写真として私の心に焼き付いています。
ところ変わって、その約2年後に私はニューヨークの市立高校に通っていました。当時のニューヨークはエイズが社会問題になっており、エイズの感染後に命を亡くす人々が後を絶ちませんでした。
そして、なんと高校の授業で「正しいコンドームの装着方法」という授業が設けられ、「セックスの時はコンドームを使って避妊をしたり、感染予防することが今後は大切」という具体的なお話を先生がしている光景に出くわします。その授業では長い棒を男性器にみたて、コンドームを上手に装着するレクチャーを女性の先生が指導しています。
今思い返すと笑ってしまいますが、日本とアメリカの教育の違いを感じたインパクトのある出来事として、忘れることが出来ません。
まあ、当時の自分も少しオマセさんでしたけどね・・・
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