2021-03-07

ジプシーという生き方

昨日は「ロマフェスト・ジプシーフェスティバル」を鑑賞しに代々木のオリンピックセンターへ。今年で10回目の開催とのこと、10年前の第1回目は2011年の震災真っ最中だったと聞いています。

このイベントは毎年ハンガリーやルーマニアなど、海外から本物のジプシーをゲストに呼び、盛大に行われておりました。今年は大きな宣伝や告知もなく、舞台の照明も投入されず殺風景なままでした。しかしコロナの緊急事態宣言最中なので、そこは大人の事情があるのでしょう。

今年は国内のダンサーによる19演目となり、いつもお仕事をさせてもらっている方々を含め、ソロから群舞まで個性あふれるジプシーダンスを楽しませてもらうことに。ジプシーと一言でいってもヨーロッパのスタイルからインド、エジプシャンまで広範囲で音楽性も全く違い、音楽の勉強だけでも参考になることばかりでした。

このイベントを開催している増永哲男さんは、世界各国のジプシーを追い求め活動している国内唯一のジプシー研究家ですが、彼がイベント中に語っていた言葉で「ジプシーは住居を定めない移動型民族として、宗教は移動先に根差している宗教に従った」という意味深いお話をされていました。

なんのこっちゃ?と感じるかもしれませんが、その意味するところは「宗教による争いを起こさないため」ということを鉄則にしていたようです。これまで世界に勃発した戦争の歴史を振り返ると、多くの戦争は宗教が引き金になったことは事実。

人間として宗教を持たずに生きる意味は、現在の日本だけで生活している方は理解しにくい側面がありますが、海外では異常な生活環境です。無宗教は世界規模で考えると稀な宗教観で、しかもその土地の宗教に従うというのは、よほどの覚悟、またはあきらめ、または器の大きさが無ければ精神的に揺らいでしまうでしょう。

日本という島国民族には理解しがたい行動様式が無限の謎で包まれているジプシーという生き方。その中でも彼らが生活の中で重要視していた音楽やダンスを知ることは、その謎を解くカギになるのかもしれません。

来年は是非、海外からのゲストも迎えて開催していただきたいイベントです。


にほんブログ村 音楽ブログ DJ(クラブ・ディスコ)へ

関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください