2021-06-23

2020年6月30日にまたここで会おう

先日、こんなオーディオブックを聴きいて頭を打ち抜かれました。

瀧本 哲史著 「2020年6月30日にまたここで会おう」

著者の瀧本哲史さんは2019年8月に病に倒れ47歳の若さで亡くなってしまいましたが、彼の残したメッセージの数々は100年先も生き続けるでしょう。

彼は投資家として、教育者として若い世代のリーダーを育て生き方を唱えた人物。彼が生前に京都大学で講義をしていた「意思決定論」「起業論」「交渉論」が人気を博し、大学以外の場所でも彼の授業を公開しようと試みたのが本書の伝説の東大講義の実録書。セミナーには全国から志の高い10代~20代の300名が参加したという。

この本の元になったこの講義は2012年6月30日に東大の伊藤謝恩ホールで行われ、講義の終わりには「次は2020年6月にまたここで会おう」と約束を交わしたが、彼が他界した2020年6月にその約束が交わされることは無かった。

このオーディオブックでは瀧本氏が実際の授業のようにライブ感たっぷりの口調で講義を進め、観客の笑い声なども随所に演出されている完成度の高さ。瀧本氏が株主であり、取締役でもある「株式会社オトバンク」は、まさにこのオーディオブックを企画した本家である。

3時間にわたる授業の冒頭では頭を打ちぬくような言葉が飛ぶ。それは「人間のふりをしたサルにはなるな」ということ。サルとは人の言うことを聞いて従うだけ、自分の頭では何も考えることができない人間を指している。

彼の思想では「日本は着実に衰退しているが、この世の中を変えられるのは20代だけ。私は20代の君たちに教養という武器を配りたい」と言い切る。

更にアメリカのカリスマ的存在であったオバマ大統領に触れ、彼のようなカリスマが誕生してもアメリカを変えることは出来なかった。ひとりのカリスマが世の中を変えることは出来ないと説明した。

世の中を変えるには一人一人が自分の頭で考え行動ができる沢山のリーダーを育てること。その教養と言う武器を20代の君たちに配りたいと結論付ける。

そして「言葉の持つ力」を最重要学問と唱え、問題正解への答えを安易に求めるのを否定。真の教えや法則は存在しないと熱く語る。答えを求める例に聖書やコーランなどを用いる辺りも切り口としてはケガをするレベル。

瀧本氏の京大の講義はいつも熱気に包まれ、大学生との激しい議論が交わされていたという。もし自分が20代の時にこのような場所に参加することができれば、その後の人生に大きく影響を及ぼすことは容易に予想がつく。彼の授業を受けた当時の若者は今何を考え、何を目指しているのだろうか?非常に動向が気になる。

今後は瀧本氏の講義を受けて人生が変わったという政治家や企業家が多く排出されるだろう。当時20代だった若者は30代を迎え、教養と言う武器を使い、宣戦布告を仕掛けてくるのが楽しみで仕方ない。


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