しないことリスト Pha
先日読んだオーディオブックで面白かった本があるので紹介します。
著者は京大卒のニートPha氏。会社員時代に「自分は仕事なんてしたくないし、会社に向かない」と会社を辞め、それ以来自由に暮らしている方。
プロローグで当たり障りのない言葉が続き、これは面白くないだろうと思いながらもオーディオブックを聴き続けていると、独自の論調が徐々に面白くなり、最終的には楽しく読み終えることができました。
ほとんどの日本人は何の疑いも無く就職をし、毎日電車に揺られ会社務めをしているけど、世の中には一定数の割合で社会に対応できない人々がいる。彼自身もそのような経験から、もっと肩の力を抜いて生きていこうよと説いている本です。彼の仲間に若くして自ら命を絶った仲間が多かったらしく、妙な説得力を感じます。
わたしも思い当たる節があり、30代に会社員だったころ、毎日決まった時間に電車通勤をするのが苦痛と感じたひとり。今とは違い、毎日何も考えずに完全に受け身で生きていましたが、社会への適応能力の無さに悲観的になった時期もあります。
本を読み進めると「こんなにゆるい生き方もあるのか?」と驚きます。自分の頭では考え付かないようなゆるさに途中爆笑してしまうほどでした。
例えば彼は読書が好きで相当数の本を読んでいるようですが「本なんて自由に読んでいい」ということ。最後まで読む必要は無いし、何ページかパラパラと読んで飽きてもいい。本なんて1行でも気になるフレーズに出会えたら十分、本棚に置いて読んだような気になってもOKと力説しております。
また「つらい時は『もうだめだ!』と言って頭を掻きむしろう」というエピソードも笑えます。寝転がって手足をバタバタさせたり、愚痴とか号泣とか弱音とか、感情にまつわる行為は人間には必要。しんどくなったら我慢せずに泣いたり叫んだり、手足をバタバタさせたりしよう、とのこと。
立派な人間を目指さない、人から期待されない、夢を追わない、といった不完全な発想は自分に厳しい日本人の心に受け入れるのは難しいですが、人生はただ生きているだけで充分というのが本書が最も伝えたいところでしょう。
自分には思い付かない角度からの人生論はとても刺激的、ネット世代の新たな価値観であり、これからの時代を楽に生きていくサバイバル本です。
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