最後の仕事
元旦明けの朝にベッドでヤフーオークションを見ていた時のこと。
「この車、いいな~」と気に入った軽自動車を発見。もちろん中古車ですが、値段も手ごろで欲しくなったんです。
「よし、購入しよう」と思い、まずは販売している担当者へ連絡しました。ヤフーオークションのサイトを開いてから5分以内の出来事です。
担当者から説明を受けたのですが、今乗っている軽自動車を下取りしてくれるとのこと。だったら乗りつけた際に車を交換すれば、私としても売る手間が省ける。その担当者に「後ほど落札させてもらいますね」と言い残し、電話を切りました。
すぐに落札をし、支払いを済ませた私。すぐにでも引き取りに行こうと思い、引き取り先を調べるとそこは徳島県。私が住んでいる千葉県浦安市からは関西を通り越して四国まで行く必要がある。しかも今乗っている軽自動車を下取りしてもらうので、車で行かなくてはならない・・・
インターネットで調べてみると千葉から徳島までは高速道路を使っても600キロの道のり。往復で1200キロもあります。ここから1泊2日の長いドライブ計画が始まりました。
早速翌日の朝に旅立ったのですが、3連休の初日だったことも重なり、道路は大渋滞。都内を抜けるのに3時間を費やすという初っ端から出鼻をくじかれました。朝9時に自宅を出て、余裕を考えても12時間後の21時には徳島に到着する予定だったのですが、実際に関西の神戸付近に到着できたのが21時。その日は納車をあきらめて明石市内のホテルに宿泊しました。
ドライブ中は久しぶりに聞きたかったオーディオブックなどを聞きながら時間を潰したので、運転自体は苦ではない。しかし、軽自動車で片道600キロの道のりは身体への負担がなかなかのモノ。ホテルのベッドは天国のように感じます。
で、翌日は兵庫県と淡路島を結ぶ「明石海峡大橋」を超え、更に淡路島と四国を結ぶ「大鳴門橋」を超える。この橋はギネスにも記録が認定されている世界最大の吊橋でそのスケールには度肝を抜かれます。運転をしながらでしたが、晴天にも恵まれ素晴らしい景色を堪能しました。
予定よりも大分遅れてしまいましたが、私が乗っていた軽自動車と新しく引き取る軽自動車の交換は無事執り行われ、数年間世話になった車へ別れの挨拶をします。
この車は7年くらい世話になった仕事専用車で、都内の小規模な現場へDJの仕事に向かう際に大活躍をしました。中古で10万円で購入しまして、その後すぐにエンジンがダメになり修理費用に30万円の出費、総額40万円という高価な買い物になってしまった・・・しかし、その後は全くどこにも不調がなく、車検を通すだけで調子よく働いてくれました。
車との別れは人の別れと同様にさみしいもので、手放す時はこれまでの様々な思い出が脳裏を横切ります。
「どうもありがとう!」
と車のボディーに手をかざし、感謝を伝え別れを告げました。
そして、そこからはトンボ帰りで更に600キロの帰路。お昼頃に徳島の鳴門を出て、帰りは行と同様に渋滞にハマり12時間コース。
ある日の朝に、たまたまヤフーオークションを開いた初動が、1200キロの旅へ導いてくれたという出来事。お別れとなった軽自動車クンが最後の仕事として、片道600キロの旅路へと連れて行ってくれた・・・そういったストーリーです。
新たに向かい入れた軽自動車は早速板金修理に10万円の出費となってしまいましたが、今後は大切にケアしながらも沢山働いてもらおうと思います。
コメントを残す