今後のリモートウエディング・イベントの姿とは
今回は今後起こりうる100名規模のウエディングやイベントの進め方について、演出音響映像制作の立場から近い将来を予想したい。結論から言うと今後のウエディングやイベントなどのビジネスはヴァーチャルとリアルの複合型に展開すると断言する。この方法こそがコロナ3密規制による参加者制限が懸念される中、新郎新婦(またはイベント主催者)と参加者の両者とって最も納得のいく唯一の方法になるだろう。
お客さんがPC上を通して観覧するオンラインのみのイベント(いわゆる無観客ライブ)は、演者にとってノーリアクションのためライブ感や一体感を味わうことが出来ず張り合いの無いもの。新郎新婦やイベント主催者側にとって、対面ゲストの反応こそがライブ感を味わう醍醐味であり、やり甲斐そのもの。そこを取り込むことは外せない。
そして収容人数が100名の会場が50パーセントの収容率で運営する場合、とてもじゃないがビジネスとして成り立たなく、運営側としては継続して続けることは難しいだろう。いかにリアルの収容人数を押さえながらヴァーチャルの参加者を多く募ることが出来るかがカギ。これからの新しいイベントスタイルはリアルとヴァーチャルの複合型に展開するという意味を詳しく説明しよう。
しかし課題はある
課題はヴァーチャル(オンライン)でのイベントに参加者から、入場費としてどのように利益を確保するかはビジネス的な観点で問題。特にこれまでのウエディングのようにご祝儀制で出費を賄っていた場合、参加に支払い義務が生じるようなモデルを考えるには付加価値をどのように与えられるかが今後の問題だ。
ウエディングの一例
100名収容定員の会場に50名がリアル参加。またZOOMなどの配信システムを利用し50名がヴァーチャルで参加 計100名の現場の姿(※ハメ込み写真です)
※音響映像などテクニカル的な立場で話すので、ケータリング等のサービスは割愛
会場側からは大型プロジェクターに、オンライン上の参加者を投影。そしてオンライン上の参加者はカメラマンが撮影する新郎新婦のアップや全身、生の会話、ゲストのインタビューなどをライブで見ることが出来る。
1.これを実現するために必要な技術者は?100名中規模イベントの場合
- ビデオグラファー(ビデオ撮影)メイン2名、全体の引きで最低1名
- ライブ配信用の映像編集者 1~2名
- 音響テクニシャン1名
- 照明等の演出
- 舞台監督またはディレクター的な人材(ウエディングの場合はキャプテンやプランナー、または司会に相当する?)
2. オンライン配信に最低限必要な環境
- 速度の安定した高速インターネットのインフラ。5G環境が整うことで解決されると考える
- インターフェイス内蔵の音響ミキサー
- ハイスペックなPCはマスト、ビデオスイッチャー、モニターなどの配信用映像機器
- 結構危険だがHDMI無線送受信機(メインカメラ用)
- オンライン参加者を投影する大型プロジェクターやスクリーン
- その他テクニカル機器(あまりにも沢山あるので目安のみ)
これらの技術者や環境が整うことで実現できること
- 3密をある程度防ぎ、リアル参加が少人数でも今まで通りにイベントを開催できる
- 新郎新婦(またはイベント側)も少ない人数ながら生のお客さんとのコミニケーションを味わえる
- オンラインでは遠方の方を含め今まで以上に多くの参加が見込める
- オンライン参加者は民法のテレビを見ているような感覚で楽しく観覧ができる
- 技術者とインフラさえ整っていれば会場や場所を選ばない
オンラインウエディング、イベントを成功させるカギは?
- 技術者とインフラの必要な環境が構築出来ていること
- 技術者のレベルがこれまで以上に求められること。進行役の司会者レベルは特に重要
- 個々のコンテンツやプログラムの内容が充実している事
- 事前にテーマやプロフィールなどの動画を沢山仕込み充実させておくこと
- オンライン参加者とリアル参加者の交流を図ること
考えられる問題点
- オンライン参加者に対していかに飽きさせないコンテンツを作れるか
- リアル参加者とオンライン参加者とのコミュニケーションをどう図るか
- オンラインアプリが限定的で選択肢が少ない(ZOOMやSkype, House Partyなど一長一短)
- オンライン側の参加費の付加価値をどうつけるか
- オンラインで参加する側のインターネット環境や技術的な問題。個々のネット環境やPCスペックは十人十色。全く映像が見れないなど苦情は多く寄せられるだろう
最後にまとめと結論
要するにこれまで通りのパーティーをリアルで行う傍ら、一方では配信を通してオンラインを通じ参加者を楽しませるということになる。5Gの完全普及後は民間レベルがこれまでテレビ局が担ってきた生番組を制作するようなイメージになるだろう。テレビの時代は終わり、個人イベントやウエディングは次のステージを迎え、ひとつひとつのコンテンツがドラマになる時代。まだまだ多くの問題を抱えるが、今後のウエディングやイベントの可能性を無制限に広げる一歩になるだろう。
以下、動画でも解説しています!
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