2019-08-21

DJにプレイリストは必要か?

昨日のブログではDJがデジタル化に伴う膨大な音源を扱う際の管理についてお話をしました。今日はDJの現場で、その日のプレイリストを毎回作るべきか?について私なりの見解をお話ししましょう。

結論は「ほとんど不要」です。

これまでの経験から何故不要なのかを説明しましょう。

最近のクラブDJは解釈が異なるかもしれませんので、これは私の経験に基づくものとしてお聞きいただければと思います。と申しますのも、最近のクラブDJは集客のために沢山のDJをほとんど賃金ゼロで雇い、しかもDJに客を呼ぶように促すといったやり方をしているところが多く受け止められます。そういった場合は若いDJが多く、現場の経験を積むという意味で無償で30分刻みでDJプレイを回している。

私の場合はモバイルDJですので、30分や60分という現場はいまだかつて担当になったことがなく、また無償でDJをやること自体が絶対にありません。ほとんどが最低でも1人で2時間、ロングセットですと8時間を一人でこなすのでトイレに行く暇もありません。このように若いクラブDJさんとは基本環境が違うことを認識の上でのお話となります。

参考例) 2時間のウエディングパーティーでDJを担当の場合

このようなケースは事前に新郎新婦様と何度も綿密に打ち合わせをするケースが多くなります。ウエディングパーティーはある意味特殊なので、DJプレイというよりは、空間演出の要素が多くなります。入場シーンやケーキカット、スピーチ時では音量の微調整が必要ですし、乾杯シーンでは一気に空気感を変えることが必要です。また、これらのシーンは新郎新婦様よりリクエストをもらうことが多く、DJの力量はファーストダンス後のダンスタイム(約30分~120分)が腕の見せ所。トータルで2時間~4時間くらいのパーティーになり、シーンごとやダンスタイムの全ての時間の音楽を担当します。

さて、このような場合にプレイリストを組むことは必要でしょうか?

答えは半分Yes, 半分Noです。

Yesの部分はシーンごとに新郎新婦様より事前にリクエストをもらった部分。
入場
乾杯
ケーキカット
ファーストダンス曲
退場曲

他にもありますが、これらはリストとして事前に曲をプレイリストに準備しておく必要があります。乾杯シーンの直前で膨大なライブラリーから検索をかけていたのでは、乾杯発声の直後に曲出しが間に合わなくなりますからね。

しかしダンスタイムなどは別です。当日お見えになるゲストの年齢層、男女比率、国籍などは予想はできますが実際は現場を見ないと確かではありません。さらに大切なのはダンスタイムまでの時間で、どれくらいの空気感を作れているか? 

それはDJの仕掛け=経験則がモノをいいます。そして、この空気感を作るためのプレイリストは存在しません。存在するのは経験値引き出しの多さだけ。

事前にプレイリストを作っていったとしても、それを実際に見ることはないでしょう。

何故なら事前に想像する自分のイメージと実際にゲストが作り出すその場の空気感は思い通りにならないからです。空気感はあくまで当日のゲストが作るものなのです!

ポイントとしては、当日パーティーに参加しているゲストの動向を注意深く観察する。そして、このなぞなぞを読み解きながら、天から舞い降りてくる直感で1曲を選曲するんです!

舞い降りてくる時は、次から次へと曲が選曲できるので何も困ることはなく、大体そのような時は会場も沸いています。

問題は舞い降りてこない時!何をプレイしても不発な時がもちろんあります。そのような時はどうしたら良いのか?それは次回のブログで詳しく説明させてください。

くだりが甘くなりましたが、プレイリストを事前に組んでも、事前のイメージと一致することは少ないため、役に立たないというのが私の言いたかったことです。日々の現場を通じて、DJは即興プレイヤーであるべきだと実感しております。


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