2019-11-29

日本ナイトライフ問題

日本のナイトライフについて海外の観光客が不満に感じているというニュースを聞きました。私も日本のナイトライフには物足りなさを感じておりますが、そもそも海外の旅行者はどんなナイトライフを求めているのでしょうか?

私なりの解釈になりますが、簡単にまとめると以下のような問題が考えられます。

  1. 大人が遊びに行けるナイトクラブが圧倒的に少ない
  2. キャバクラ、ホステスなどがいるクラブは西洋文化的に皆無
  3. エンターテイメントを楽しめる夜の会場(箱)が少ない
  4. ブルーノートやビルボードなど、ライブハウスのシステムが海外に比べて高額
  5. 公共の交通機関が夜になると止まってしまう(地下鉄・バス)
    1. といった感じです。それぞれ説明していきましょう。

      大人が遊びに行けるナイトクラブが圧倒的に少ない

      東京都内の場合で説明すると、いわゆるダンスが目的のクラブは渋谷、六本木、新宿などあるにはあるのですが、若い世代のためのクラブであり、40代以上の大人が遊んで楽しいクラブが少ない。

      そもそも40代以上の客が少ないためメイン客ターゲットの対象にできないというクラブ側の問題もあるが、海外のクラブに行くと年配の層も多く来店するため、それなりの工夫がみられる。例えばクラブでいうとダンスフロアの他に会話ができる静かなBarがあったり、クラブとレストランが併設されており、テーブル席でゆっくりと食事ができるなど。

      キャバクラ、ホステスなどがいるクラブやスナックは西洋文化的に皆無

      一部の東南アジア圏を除いて女性が男性をもてなすキャバクラのようなスタイルがここまで栄えているのは、男尊女卑が何の疑いも無くまかり通る日本ならではの文化。海外からは家族やカップル等の旅行者も多く、常識外の値段で女性が提供する酒場には興味はないだろう。

      個人的にも全くキャバクラのようなところは興味がないが、世の中の大和男子が何故あのようなところでお金を使うのかは世界の七不思議である。キャバクラ好きの方、ごめんなさい。

      エンターテイメントを楽しめる夜の会場(箱)が少ない

      これは日本の都市にカジノがないことや、ブロードウェイのようなショーを楽しむことに対しての敷居が高さなどが多少なりとも関係している気がする。Show文化をもっとオープンにし、歌舞伎座のように国を挙げてエンターテイメントを楽しむ場所の提供に取り組むことが無ければ個々の努力だけでは難しい。

      また戦後の風営法がそのまま現代に放置されているため、レストランでダンスをさせてはいけないなど馬鹿げた法律が、どれだけの人々を抑圧しようというのか?音楽とダンスというのは人類が最も五感を活用して楽しむ豊かさの象徴であり、古代から人種を問わずお祝いの席やモテナシ事には不可欠な行事である。この法律が改正されない限り、日本のナイトライフに未来はない。

      ブルーノートやビルボードなど、ライブハウスのシステムが海外に比べて高額である

      そもそも一流のライブハウスが少なく、Barなどでミュージシャンを入れているところも少ない。またブルーノートのような世界レベルのアーティストはチャージが高く、一般客が気軽に入るにはお金がかかる。

      もちろん、ニューヨークなどでも一流のジャズクラブなどはそれなりにコストがかかるが、ミュージシャンのクオリティーを少しカジュアルにすれば、お財布にも優しい入場料で楽しむことができる。私がニューヨークに住んでいたころは一流アーティストのライブでも20~40ドルだったし、なんせ週末になるとアーティストの選択肢がありすぎて、どこに行こうか迷ってしまうほどだった。

      公共の交通機関が夜になると止まってしまう(地下鉄・バス)

      これは日本最大の都市、東京の話だ!そもそも電車社会の東京で遊びに行くのに足がないなんて。。。せめて週末だけでもいいから、1時間に1本でもいいから、山手線くらいは走らせてください。それだけで経済的に少しは活気づくでしょう。ほとんどの店舗が終電の時間を栄に営業終了となっていることを考えると、電車が無くなって人が家に帰ることを余儀なくされる現状がある。だから店を開けていても意味がない、って悪循環になるんです。

      以上が私の考える日本のナイトライフ問題でした。細かいことを言うとまだまだあるのですが、日本が長期的な海外インバウンドの取り込みを目指すなら最低でも必要だと思うことを書かせてもらいました。

      また海外旅行者にとってナイトライフを通じて現地の日本人と社交の場を設けたいと考えている外国人は多いはず。欧米諸国で夜遊びが充実しているのは、人々がナイトライフを通じて社交的な営みを楽しんできた歴史でもある。まだまだ未開拓な日本のナイトライフだが、オリンピックという世界行事に向けてお客様を迎え入れるにあたり、私たちが真剣に向き合う時なのではないか?


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