2020-01-09

薬物問題

日本は薬物の規制が非常に厳しい国のひとつですが、薬物の常習者は悪人という考えに対して、私の意見は少々皆さんと違います。

沢尻エリカさんなどの有名人が薬物に関わった際はマスコミから大きく取り上げられ、テレビでは悪人のような扱いをされています。私はあのような光景を見ていて少々かわいそうな気分になります。というのも、薬物の常習者は悪人ではなく、病人だと思うからです。そして薬物の常習者が行くべきところは刑務所ではなく病院だと思います。罪の償いの前に、まずは何よりも治療が必要です。

もちろん違法なドラッグに手を出してしまったのは本人の責任ですが、いったん麻薬常習者になってしまったら自分の意志だけで立ち直ることはできません。そこから復帰するために社会全体で、または地域が手を貸して本人を治療に向かわせなければならないと思うのです。この問題は麻薬の危険に直面していない日本においては遠い他人事の問題かもしれません。

私はティーンエージャーの頃に一人でニューヨークに住んでおりましたので、薬物の恐ろしさは日本で暮らしている皆様よりは理解しているつもりです。私の住んでいた80年代後半のニューヨークはクラックという当時新種のドラッグが一世を風靡しておりました。その依存度の強力さは従来のドラックの比ではなく、薬欲しさに強盗や恐喝(女性は売春)最悪の場合は人殺しにまでに及んでしまうことを実際の生活を通じて体験しておりました。だから麻薬が蔓延ると地域の安全が脅かされてしまう。だからこそヤクの売人を排除し、専門的な分野で麻薬常習者に手を差し伸べなくてはならない。

マリファナなどは別ですが、コカインや覚せい剤のような中毒性が極めて高く、脳神経が一度その麻痺状態を体感しまうと自力や努力とかでコントロールできる問題ではなく、自制心が全く効かなくなります。あの精神状態を脳が強烈に求めてしまうのです。自己嫌悪に陥りながらも、それでもドラックのことで一日中頭が一杯。だから散々な痛い目に会ってもなかなか抜け出せない。日本の芸能人を見ていて不思議に思う方も多くいらっしゃると思いますが、逮捕されてもまた懲りずに手を出してしまうのです。この体験はアメリカ人の麻薬中毒者を近所で沢山見ていて理解できました。ですので、今でもハードドラッグを乱用している方は顔つきを一目見ただけで分かります。

だからガン患者や糖尿病患者と同様に薬物患者も病人として扱うべきです。最初は弱さゆえに、または興味本位で一度は薬物に手を出してしまったとしても、そこからこの重病を治すには根本的治療が必要です。

もちろん、私だって何をしだかすかわからないヤク中に関わりたくはない、というのが正直なところ。彼らはヤクを手に入れるためなら人をだましたり、窃盗なども何とも思わない精神状態で普通ではないのです。ヤク中から立ち直るには病院や施設など専門的な場所で時間をかけて診てもらうこと。そして何よりも大事なのは薬物の売人や販売ルートを断ち切ることです。一番悪いのは薬物を販売し利益を得ているところ。所有することが不可能なら常用することはできないのだからヤク中は世の中からいなくなるハズ。人間の弱さに付け込んで利益を得ている元締めを断絶できなければ、この問題は永遠に終わらないのかもしれません。


にほんブログ村 音楽ブログ DJ(クラブ・ディスコ)へ

関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください