DJが知っておくべきこと
私はDJ会社を立ち上げて既に14年が経ちました。車に音響機材を積んでDJと共に派遣し、誰でもどこでもお手軽にパーティーが開催できるよう営業してきました。
DJの音楽も完全に営業スタイルでバブリーなディスコが必要ならディスコDJとなり、アメリカ人のパーティーではトップ40を、白人ならロックやカントリー、黒人ならヒップホップ、中東ならアラブ音楽とどんなジャンルも七変化にこなす日々を送った。
ですので、日ごろから様々な音楽に耳を傾け、その土地の方に愛されている音楽に理解を深めようとしてきたんです。その結果、悟ったことは「音楽と生活は常に密着している」ということ。その土地の文化に基づいている人々の暮らしを知らなければ、その土地の音楽を知ることは不可能。ほとんどの国では生活と音楽が切り離せなくて、人々の暮らしに音楽が根付いている。日頃の想いが音楽という積み木を作り上げ、その感情が人々に共鳴する。
また、音楽は時代と共に常に変化をし続け、時代を反映しながらライフスタイルの変化と共に音楽も変化する。世界情勢に変動が起きれば音楽も進化を遂げる。過去の音楽の歴史を振り返ると紛争、政治、経済などの重大なターニングポイントは人々の心の叫びとなり、そこに新たな音楽の芽が生まれる。
例えば1970年代のアメリカはベトナム戦争で事実上の敗戦となり景気は低迷。若者の叫びはRockとなり、マービンゲイは反戦ソングを歌い、ソウルミュージックは繁栄し素晴らしい音楽が量産された時代となった。
そうかと思えば、1980年代の日本は経済の流れが好景気に向かい、人々の気持ちは高鳴り、マハラジャに代表されるようなアップテンポのユーロビートで沸いた時代。90年代に起きたバブルの崩壊と共に、絶頂を極めていたジュリアナのような音楽が衰退したのを考えても、時代背景が音楽に与えている影響がはっきりと表れている。
現在、2022年後半はコロナ禍のパンデミックが明けて新たな時代へと突入する。いま世界の人々が感じている心の声は音楽となって映し出され、そこに共鳴した小さな輪がやがて大きな円となり世界がつながる。
個人的に、これから数年間の時代の流れは「癒し」と「希望」と「創造」に価値観が問われると感じる。こんな時代背景にはどんな音楽が生まれるのか?これだけの条件が揃えば、今世紀最高の本物の音楽に触れる素晴らしい時代が来ることを期待。
例えばね、世界中で愛されているABBAの代表曲「Dancing Queen」もディスコソングではなく、このようなアレンジ↓の方が人々の心に響くということかもしれません
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