DJのための音楽史Motownとソウルミュージック
モータウンサウンドは英語圏の幅広い世代が親しみを持っている音楽であり、DJを名乗る上で知っておくべき外せない時代の音楽である。今回はDJのビギナー向けに若いDJが知っておくべきモータウンの最低限の情報を以下に簡単に説明する。是非とも音楽の歴史の勉強と思って参考にしていただきたい。
モータウンレコードはベリーゴーディーにより1959年アメリカのデトロイトにて誕生。Motown Recordsが所有するレーベルにMotown、Tamla、Gordyの3本柱があった。
ビートルズがポピュラーミュージックの土台を築いたように、初期モータウンが果たした役割は黒人音楽であるソウルミュージックを分かりやすく噛み砕き一般リスナーへ届けたこと。
モータウンの黄金期は1961年から71年で100曲以上のヒット曲をアメリカのトップ10チャートに送り込んだその時代に所属していたアーティストはThe Supremes (Diana Ross), Four Tops, The Jackson 5, Stevie Wonder, Marvin Gaye, Marvelettes, Miracles等。2020年現在もレーベルは存続しておりMigos、BJ the Chicago Kid、Layton Greenなどが所属している。
以下は当時の代表的なヒット曲。ファミリーパーティなどでDJが使えるモータウン・カテゴリーのキラーソングだ。
60年~70年代ソウル黄金期のモータウンヒット
・Marvelettes
Please Mr. Postman 1961年(※モータウン初のナンバー1ヒット。後にビートルズもカヴァー)
・Temptations
My Girl 1964年
・The Supremes
Baby Love 1964年
You Can’t Hurry Love 1966年
・Four Tops
I Can’t Help Myself 1965年
It’s the Same Old Song 1965年
・Jackson 5
I Want You Back 1969年
ABC 1970年
Dancing Machine 1974年
・Stevie Wonder
Uptight 1965年 ※ディナータイムミュージック
My Cherie Amour 1969年 ※ディナータイムミュージック
スティービーワンダーは70年代に入り「Talking Book」や「Songs in Key of Life」など歴代のアルバムを次々に発表。
・Marvin Gaye
Ain’t No Mountain High Enough 1967年
Let’s Get It On 1973年
I Want You 1976年
Sexual Healing 1982年など(※踊れる曲は少ないが黒人パーティーには盛上がる)
70年代後半から80年代のモータウンヒット
この時代はパーティーの現場で、市場はより盛り上がる音楽を求めるようになった時代。モータウン所属のアーティストはリックジェームスやコモドアーズ、デバージなどのサウンドに特徴づけられるファンク、ダンス路線へ。
・The Commodores
Machine Gun 1974年
Brick House 1977年
・Dazz Band
Let It Whip 1982年
・Rick James
Give It To Me Baby 1981年
Super Freak 1981年
・DeBarge
I Like It 1982年
・Thelma Houston
Don’t Leave Me This Way 1976年 ※ディスコクラシック
・Mary Jane Girls
In My House 1983年
以上取り上げたのはモータウンの代表的なアーティストとDJがファミリーパーティーなどで使える踊れる曲のソングリストだ。
同時時期にソウルミュージックを盛り上げた特徴的レコード会社
・Stax Records:
南部メンフィス発祥サザンソウル。ブルースっぽい土臭いサウンドが特徴。75年までにOtis Redding、Bar-Kays、Isaac Hayesがリリースした。
・Philadelphia International Records:
1970年代発足フィリ―ソウルの名で親しまれた。オーケストラが特徴的でO’Jays、Three Degrees、Harold Melvin & The Blue Notes、The Stylistics(1枚のみ)MFSBなど。
当時影響力のあったテレビ番組
・Soul Train
1971年から2006年までアメリカで放送されていたダンス番組。流行りの音楽にのせて人々が踊るシーンを収録した人気番組。フィリ―ソウルのMFSBがソウルトレインのテーマソングを制作。長年に渡りテーマ曲としてテレビで流れた。またMFSBの「Love is the Message」(1973年)はハウスクラシックとしてニューヨークのDJ達の間でプレイされている。
シンガーやグループをを支えたハウスバンド
MFSBはPhiladelphia International Recordsのハウスバンドとして当時のアーティストやシンガーの録音にてバックの演奏を担当した。同じくMotownでもファンクブラザーズがモータウンのスタジオミュージシャンであり、当時のモータウン・アーティストの録音を担当。その模様は「永遠のモータウン」という映画にてドキュメント化されフィルムに残っている。
DJにとって音楽の歴史を知ることは必要不可欠なスキル。音楽のルーツや歴史を知ることでDJプレイに一層深みが出ることは間違いないので、参考にしていただきたい。
以下動画でも詳しく説明をしています。
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