2023-03-04

移動距離と人生

若い時に旅をしたり、海外の価値観に触れる経験は、その後の人生において非常に有利になります。

若い時の新鮮な感受性、素直さ、好奇心からくる洞察力は人間形成にとても役に立つ。まだ人間性が確立されていない柔らかい頭の時に他国の生活や他国の人間に触れることは一生の宝になる。

もちろん、ある程度の年齢になってからの旅の学びでも決して遅くはありませんが、80歳まで生きるとして60歳で旅をして学んだその後の20年を生きるのと、20歳で旅をして学んだその後の60年を生きるのでは大違い。だから若い時の一人旅での学びや、旅での苦労は買ってでもすべきということ。

そう考えると旅の経験値、つまり行動範囲の広さはその人の人格形成に大いに役立つ。同じような価値観の人間と一緒にいることは悪いことではありませんが、世の中には自分が想像できないような価値観で生活している人がたくさんいて、ロジックの組み立て方や常識が全く違う。

例えば貧困国で生活している国の方々は生活インフラが整っておらず、生活用水を手に入れるだけでも一苦労。そんな国へいったん足を運べば私たちがどれだけ恵まれている環境で生活しているかを知ることでできる。

私も10代の頃にホームレスのような生活をしていた時期がありますから、毎晩暖かい布団で寝れることが決して当たり前でないことを知りました。で、今でもその時の経験をたまに思い出す。そして「雨風しのげる屋根があって、暖かい布団で寝れるってありがたいなぁ」と思い返す。そう考えると、私は若い時のこのような経験が出来たおかげで経験値の幅が他の人よりも広くなった。こんなことは全然自慢できることではありませんが、他の人よりは他人の痛みが少しはわかる。

また、私の大好きな小林正観さんも言っていました。「移動距離と人生の面白さは比例する」と。つまり行動範囲の広さや移動距離が長ければ長いほど、統計的に面白い人生を送る可能性が高くなるということ。極端な例で比較をすると、毎日家にこもって一人でテレビを見ているよりも、外に出て気の合う友達と遊んでいる方が楽しい時間を過ごせる確率が高いということ。

そう考えると、たくさんの人と関わって毎日を過ごすことの大切さも理解できる。自分の知らない場所へ足を運び、旅先で知り合った人との交流を楽しむ。そんな貴重な時間の使い方を人生の折々に取り入れていきたいものです。


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