2020-04-19

1980年代 DJのための音楽史

80年代の音楽に変化を起こしたのは、これまでの音楽産業がラジオ中心だった70年代に対し、映像を通じて行われたビデオプロモーション革命。その中核を担ったのが1981年に始まったテレビ番組MTVであり、音楽はより視覚的にファッション性を前面に押し出したセールスプロモーションがメインになった。

また70年代に活躍したスターグループからはソロアーティストが続々とデビューしヒットを飛ばした。ジャクソン5からはマイケルジャクソン、スプリームスからダイアナロス、コモドアーズからライオネルリッチー、ビートルズからポールマッカートニーのような面々を含むアーティスト達である。

またシンセサイザーなどの80年代サウンドを代表する、新しいポップスターも続々と生まれる。ブルーススプリングスティーン、マドンナ、シンディーローパー、プリンス、ホイットニーヒューストンなどの新星が全米チャートを賑わせた。

ロックはヘヴィーメタル全盛期を迎え、ヴァンヘイレン、ボンジョヴィ、エアロスミス、ガンズアンドローゼスなどの人気バンドを筆頭に、よりヘヴィーなサウンドを追求したメタリカ、アイアンメイデンなどが活躍。長髪にビョウ付き革ジャンといったファッションが流行。

アメリカ東海岸ではヒップホップが独自の進化を遂げ、Run-DMCがエアロスミスのWalk This Wayをそのまんまパクったラップをリリースし日本でも大流行。1986年に全米チャート4位を記録、ラップはアンダーグラウンドからメジャーへ成功を果たす。同時期にヒップホップの名を押し上げたDef JamレーベルはLL Cool JやBeastie Boys等らがヒット曲を量産。ニューヨークのKiss FMではDJ Red Alertが初のHip Hop専用のラジオDJとして活躍し、私自身もニューヨーク在住中に彼のラジオやパーティーに足を運び当時の勢いを感じることができた。ヒップホップ・ミュージックという新しい音楽の幕開けがまさに80年代と言える。

ソウルミュージックは更に洗練された都会的なアーバンミュージック(日本ではブラックコンテンポラリー、略してブラコンと称す)に発展。ルーサーヴァンドロス、フレディージャクソン、カシーフなど。このあたりの情報は松尾潔さんの専門分野ですね。

80年代後半は私自身もニューヨークのクラブシーンに没頭した時期。ハウスミュージックはゲイカルチャーを中心にアンダーグラウンドで火が付き、ディスコシーンからクラブシーンへと時代のバトンを明け渡した。私がこの時期に実際にクラブで体験したDJにはLarry Levan、Frankie Knuckles、Robert Owens、Junior Vasquez、Louie Vega、Kenny Dopeなど数知れず。オンタイムで本物のクラブ・ミュージックに触れ貴重な宝となった。私自身のDJプレイに影響を及ぼしていることは間違いない。

また80年代のキラーソングについては今後ジャンル別にブログにて紹介する。

以下動画にて解説しています↓


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