Tony Yangさんのピアノ
昨日、私の運営している音響会社の契約先から依頼がありテクニカルの仕事へ行って参りました。
実はどういった仕事かあまり把握しないまま会場に到着。その後、とんでもない衝撃を受けることになります。
それは現在ワールドツアー中のカナダ人ピアニスト、Tony Yike Yang(トニーヤングさん)がソロでリサイタルにやって来たんです。彼のことはそこまで詳しく知りませんでしたが、なんと1998年生まれの24歳(2022年11月24日時点)世界3大音楽コンクール「ショパン国際ピアノコンクール」に出場し16歳の時に史上最年少で5位に入賞した経験をお持ちです。
↓このピアニストこそ16歳の彼。
話によると、中国の重慶市生まれの彼は2004年にカナダへ移住。5歳の頃に母親からピアノを教わったらしく、家庭内から音楽になじむ環境を作ってもらったと語っていました。
その後はジュリアード音楽院やトロント王立音楽院で音楽を学び、今年はハーバード大学の経済学部を卒業したとのことですから、どれほどの努力家なのでしょう?私には想像すらできません。
今回は香港へリサイタルへ行く途中のトランジット(飛行機乗り換え)で日本に1泊するので、立ち寄ってピアノを披露してくれました。なんと限定的で特別感がある公演なのでしょう。私は仕事ではありましたが、彼が会場で練習をする姿を特等席で見ることが出来ました。
その練習風景では、ショパンをこよなく愛するトニーさんの流れるようなピアノ弾きが誰もいない会場に響き渡っていました。
そして本番では冷たい雨が吹き付ける中、会場を埋め尽くすゲストが一目でいいから彼の演奏を見ようと集まっていました。
トニーさんの演奏を生で聞き、ピアノだけで、ここまで感動したのは人生初。心が揺さぶられるとはこのこと。まだ20代半ばなのに、奥行きのある喜怒哀楽を表現できるのは人間的にも成長していないと難しいはず。単にピアノが上手いだけではなく、強力な説得力があるから不思議だ。心がリッチになるし、何故か1本の長編映画を見終わったような感覚が残る。
自分は人生のほとんどを音楽漬けで過ごしてきたのに、今まで感じたことの無い方向から音楽の魔力を感じた出来事となった。まだまだ自分の知らない音楽のマジックがあるもんだな。
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