対神関係
私が20代の頃にアメリカ人のシンガーに付いて音楽活動をしていた時のこと。
その彼とはゴスペルというジャンルの音楽で、女性2名と私と彼の計4名構成で活動をしていました。当時の日本ではまだ珍しかったアカペラグループで(ゴスペラーズが出てくるもっと前)米軍基地や全国の教会を周っていたんです。
そもそもゴスペルというのはGODとSpellのことで、訳すと「神さまの綴り」という意味。聖書などに出てくる言葉に基づいた神様からの教えを歌にしたアメリカンブラック独特の宗教的な音楽になります。
アメリカの黒人家庭では子供のころから教会へ行き、いわゆるサンデースクールという場で神様について勉強をします。信仰を深め、そのよう敬謙なクリスチャンが心から歌う音楽は感動さえ巻き起こす。
ゴスペルはアメリカのプロテスタントの音楽、私は幼少期からカトリックの環境で育ったので、あのような歌い方は知りえませんでしたが、賛美歌と言う意味では似ている
その彼からゴスペルのイロハを教えてもらい、随分と歌の特訓もさせてもらいました。ただ、ゴスペルという音楽の根本にあるのは信仰心。そこで彼から言われた言葉のひとつで今でも心に残っている言葉があります。それは
「お前が今後音楽を続けようが続けまいが、そんなことはどうでもいい。ただ神様とお前のリレーションシップは築いていかなければならない。それは対人関係と同じくらい大切な対神関係のこと。」
ほとんどの日本人は宗教観に重んじた生活を強いられていませんし、わたしも宗教に関しては自由な解釈をしていると自分で感じる。でも、この歳になって彼の言っていた意味が分かる気がするんです。
宗教は人間の自由で選べますし、選ばないという選択肢でさえ選べる。私は他人が無宗教でも何とも思いませんが、アメリカ在住時は無宗教の人は超少数派だったのを考えると、世界的に見ると世界のほとんどの人が何らかの神を信じて生活をしている。
要は「あなた自身と神のお付き合い」であって、他人のことはどうでもいい。お母さんと神の付き合いもどうでもいいし、近所のオバサンと神の付き合いも自分にとってはどうでもいいし、干渉すべきでもない。
ただ、ひとつだけわかっているのは、神との付き合いを深めれば深めるほど色々なモノを見せてくれるし、どんどんとタマシイ的な成長を促してくれるということ。これは間違いなく、神様との付き合いを深めている人が共通して経験していること。
もちろん、信じてくれなくてもいいんですけど、本当のことです。
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