2020-10-11

マネできないウエディング

もう長いお付き合いとなるCという某ウエディング・プロデュース会社。この会社があったからこそ、わたしの音響技術は向上しました。毎回相談が来る過去に前例のない難題に頭を抱え、でもそれを当たり前のように難題をこなし施工する日々。退屈だった日本のウエディング業界の常識を根底から変えてくれました。

私自身は1993年にブライダルの音響会社に勤務し、そこで基本的な知識を身に付けた。当時はまだカセットテープの時代で、ウエディングのリクエスト曲と言えばZARDが定番でした。私はニューヨークから帰ってきたばかりで、日本の音楽には全く知識も興味も無く、仕事中は食事を提供する配膳の若い女の子を眺めてばかりでした。当時はそれほどウエディングの音響という仕事は難易度が低く、誰にでも務まった仕事です。

まさか、その数十年後に自分でウエディング音響の会社を立ち上げるとは夢にも思っていませんでしたが、その時の経験は少なからず生きています。人生に無駄は無いというのは事実です。

さて、昨日行われたCという某ウエディング会社がプロデュースをした結婚式。ここ10年くらいの間にオーダーメイドと言われるウエディングスタイルはメインストリームを駆け巡っており、大手も参入しています。元々は小さな会社が西洋スタイルの結婚式を日本風にアレンジし始まったオーダーメイドウエディングですが、資本の大きな会社があの手この手でそのスタイルを真似し、今ではすっかり定着しました。

ただ、私が直接関わっているブライダル会社の中でもこのCというウエディング会社は根本が違う。他の会社はマネできないんです。

もちろん、写真に写っている会場の装飾などハードの部分は腕の良い装飾屋さんとか花屋さん、優秀な大工さんを雇えば見様見真似で実現可能でしょう。しかし問題はソフトの部分。結局のところ、他のウエディング会社は自分の職場のウエディングしか知らないので、他のブライダル会社でどんなコンテンツが行われているのかを知るすべがない。

ウエディングでは当たり前のように行われているケーキカットが存在しなかったり、司会者や音響照明の演出力が信じられないほどレベルが高かったりするんです。そして、様々なウエディング会社を渡り歩く司会者、音響、映像などの個々の職人はウエディング会社の要望によって、その時に自分たちに求められているものを技術改善し、提供するので、どんどんスキルに磨きがかかる。オーダーメイドウエディングの誕生以来、私が音響に関わる中で配膳の若い子を眺めている時間は全く無くなりました。

↑こちらは昨日のウエディングで出演されたモノマネの芸人さんと新郎新婦さん。私はあまりお笑いについては知識がありませんが、有名な方らしくゲストが熱狂していました。このウエディングでは音響機材と映像機材の設置、音響演出のオペレート、映像VTR出し、エンターテイナーのPAなどを担当しました。担当がわたし一人だったので、仕事量的にはヘヴィー級の14時間労働。自分の会社なのでブラック企業と訴えられることも無いですが、パーティーが終わった後のゲストの満足そうな笑顔を見ると疲れが吹き飛びます。

こうして長年ウエディングの音楽演出に携われること、日々ありがたく思います。ご依頼いただけるウエディング会社に感謝ですね。目指すは世界一のブライダル音楽演出家かな~?!


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