変態監督の特権
今月末に控えているドラマの撮影のため、先日東京駅付近で出演者のオーディションを行いました。
2日間の募集で70名以上の応募があり、その中から10名に絞ってお声がけをすることに。お声がけする方はほとんどが採用予定の方で最終チェックの意味と面接を兼ねてのオーディションとなりました。
その際にせっかくなので、少し演技をしてもらう計画をしたのですが、どんな演技をしてもらおう?と考えた時に私の右脳が考えたのがこれ
小道具を使ったのですが、ひとつは上の写真立て。そしてもうひとつが手紙です。
写真立てでは「この写真を見ながら自分の亡くなった母親だと思って表現してください」という演技。10名の方がそれぞれの感じ方で表現をしてくれたのですが、演技経験の豊富な方が多く、その表情は悲しみに暮れている。かと思うと突然ニコリと微笑み「お母さん、ありがとう」とセリフをつぶやく方もいらっしゃいました。
一番驚いたのは、たった30秒ほどの演技なのに感極まって本物の涙を流す方もいる!!これには驚きました。その方は20代の男性で、今回の撮影の主役にもなっておりますので、映像が完成した際には彼の演技が楽しめると思います。それにしても、たったの30秒で自分の世界に入れるなんて信じられません。
そして、もうひとつの課題は手紙。
お題は「この封筒を開封すると3億円の宝くじに当選した知らせが入っている」という内容にしました。さて、演者はどんな演技を見せてくれるのか?
これも非常に面白く、更には先ほどの演技とは真逆なので(悲しみ~嬉しさ爆発)気持ちの入れ替えも大変でしょう。それも考慮して皆さんの反応を伺いました。
一番興味を引いた反応は「今までにそんな大金を手にしたことがないから感情がわからない」という反応。確かにそうかもしれませんが、そこをあえて想像力を働かせて演技をして欲しんです。
演技って自分の経験から表現することも大切ですが、自由な発想で想像できる発想力も必要。その感じ方は皆さん違うので、そこをのぞき込むことが許されるのは変態監督の特権といえるでしょう。
それにしても、こういった映像を作るまでの工程ひとつを切り取っても、楽しい作業の連続。撮影まで残りの準備期間は1週間。まだ準備期間なのに面白いことが続きます。
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