2023-01-14

いつまでも挑戦者として生きる

昨年暮れ(2022年12月)に主催した「Golden Cairo」というダンスイベントでのこと。

前座のパフォーマンスに出演できるチャンスを若手ダンサーの為に設けました。出演を希望する方には踊っている映像を送ってもらい、ゲストダンサーのエジプト人に審査をしてもって出演者を決めたんです。

そこで選ばれたのは4組、それと私達主催者で決めた1組とを合わせて計5組。主催者枠の1組を選ぶ際に、誰を選ぶか?何日も迷いましたが最終的な決断は私がしました。で、今日はその話はではない。

今日はゲストのLubnaとOsama(共にエジプシャンダンサー)という世界的なレジェンドダンサーが選んだ4組の中に、とても素敵な方がいたというお話を伝えたい。

選考をするという立場で思ったのは、オーディションの選考で送ってもらうダンスの映像は様々で、自宅で撮影している人もいれば、スタジオで撮影している人もいる。画質もスマホで撮影する人や、プロ用カメラで撮影したと思われる方など制限はなかったので、顔の表情まで読み取れる方もいれば、どんな表情なのか全くわからない粗い映像もある。

選考する立場の人も人間なので、ダンスのレベルが同等だったら映像の良さを選ぶかもしれない。またはフィーリングが伝われば、そちらが優先になる可能性もある。

審査にあたり、沢山のビデオを見ていて思ったのは、あまりにも沢山のビデオを見ていると判断が分からなくなるということ。だから審査をする人間は、自分の中で絶対的なコンセプトや基準を持っていないと、同レベル同士の戦いでは映像の鮮明さなどで判断をしかねない。それは挑戦者にとって失礼な話になる。審査って難しい。みんな色んな想いを持って挑戦してくれるから・・・

最終的に選ばれた4組のダンサーの中の2組は知っている20代の女性。他の2組はグループで初めて見る方々。私は本番当日に初めて彼女たちと会いました。この企画は若手のダンサーにもショーの前座に出演するチャンスを設けた企画。

しかし、実際に会った彼女たちは自分よりも先輩と思える方々・・・ダンサーという意味では若手かもしれませんが、人間としては先輩だった。この企画はどうなんだろう?と一瞬疑問がよぎった。

で、その考え方が覆されたのは、そのグループの1人の女性が発した言葉。

彼女たちはわざわざ北海道からこのショーに出演する為に上京してくれた。それだけでもスゴイ。北海道ということで、私自身も同じ出身地で心が動かされたのですが、その女性が発した言葉が

私は現在75歳です。いくつになってもダンスができる喜びを皆さんと分かち合いたい


※グループ名Ekhwaat Mariam 一番右の女性が本人

こ、これは・・・・

75歳になってもダンサーとしては若手。目をキラキラさせ、そして挑戦している姿・・・

この時の彼女を見て私はバットで背中を叩かれたかのような衝撃を受けました。このインタビューは編集をしてショーの映像の一部として残してありますから、この映像を見た私以外の何百人も同じような衝撃を受けたはず。

私が本番前に彼女たちを初対面で見た時に「若くない・・・」と率直に思ってしまったことが恥ずかしくなりました。彼女たちの心はまだまだ若くて真っすぐ。これこそ、若手のダンサーに出演枠を作った本当の意味を教えてもらった出来事。彼女たちの姿こそ、いつまでも挑戦者として理想の姿じゃありませんか?!

「自分も将来、ああなれるのだろうか?」

私にとって、忘れることのできない勇気の出る経験になったことは言うまでもありません。


にほんブログ村 音楽ブログ DJ(クラブ・ディスコ)へ

関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください