最後のウォーキング
先日、友人のスティーブン主催で行われたプラスサイズ・コンテスト「Today’s Woman」。
体系に関わらずどんな女性にも輝く権利があり、その女性自身の生き方を魅せるというのが主旨のコンテストです。
私はスティーブンが取り組んでいる活動を応援していて、このコンテストも客として見に行こうかと思っていました。しかも、このコンテストの前年度(2022年)のグランプリは知り合いのChihiroさんで、彼女のラストウォークを見納めるという目的もありました。彼女が1年間Today’s Womanのクイーンとして活動をし、次のグランプリ受賞者に引き継ぐシーンをこの目に収めたいと思っていたんです。
※写真右側がChihiroさん
でも面白いことに、この大会が行われる10日前くらいにスティーブンから連絡があり、DJを担当して欲しいとLineがあった。私は見に行く予定だったので、スケジュールは空いているし「もちろん」と二つ返事で引き受けました。
当日になりバタバタ進行の中、会場では早朝からリハーサルが行われていた。分厚い進行表をもらい、私もそのリハーサルに参加。
自分で言うのもナンですが、どんなイベントでも音楽演出を任された以上、キッチリと役目を果たせる自信があるので、進行表をきっちり頭の中に入れて不明な進行についてはステージディレクターのDaigo氏、及び司会のセイン・カミュさんと念入りに確認をする。セインさんは何度か一緒に仕事をしているので、ある程度の意思疎通は出来ている。これである程度の不安は払拭できた、ハズだった・・・
イベントの本番では何が起こるか、どんなトラブルに出くわすかは誰も分からないので、そこは個人の対応力が求められるところ。
実際に本番がスタートすると、30分以上も遅れてイベントがスタート。最初から想定外のトラブル続きに見舞われた。が、そこは何とかつぶしの効くところ。進行を妨げるような大問題には発展しなかった。
ただひとつ、自分のアドリブ力を試されるシーンに出くわした。それは前年度のグランプリ、Chihiroさんが最後のランウェイを歩く時だった。
彼女がステージを降りて、客席に向かって最後のウォーキングをする大事な場面でのこと。上段のステージから客席へ降りて行く過程で7~8段の階段があり、その階段をイブニングドレスの衣装で下りるには誰かのエスコートが必要になる。
リハーサルではエスコート役の男性2名が、彼女が階段を下りる際に手を貸す予定だったが、実際にその場面になってもエスコート役の男性が誰も現れない。
ちょうどステージの上手でDJをしていた私と、司会のセインさんがそれに気づき「どうする?」みたいな雰囲気になった。
私達2人は目を合わせ「ニコッ」と笑って、二人で階段下へエスコートの準備に着き、何気なくChihiroさんの最後のウォーキングをサポートした。私とセインさんはエスコート役という自分達の役目を済ませた瞬間「パチッ」とウインクをし合い、胸を撫でおろしたというエピソード。
このアドリブ対応は我ながら満足感があった。というのも、当初私はこのイベントに来る目的がChihiroさんのラストランを見に来る、という目的があったから。
その目的は一番特等席の最前列で果たすことが出来た。しかも自分の手を差し出すという直接的な仕事も出来た。なんてことだろう!
これだから人生って面白いんだよな~と感じた瞬間でした。
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