2022-05-17

荒波の中の葛藤

先日起こった知床の海難事故に見舞われたご家族には心が痛いほど同情します。

乗船していたお客様の中には、若い男女のカップルもいたとのこと。男性の車内には結婚指輪と手紙が見つかり、プロポーズを予定していたと聞きました。事故さえなければ、これから沢山の幸せな出来事が待っていたのだろうと思うと泣けてきます。

船も飛行機も、ひとたび事故に遭遇してしまったら同乗している人間は逃げ場を絶たれてしまうことを考えると、人の命を預かる仕事に従事することの責任の重さについて考えさせられます。

実は数週間前に、偶然にも船の免許の更新があり、私は講習を受けてきたばかり。このニュースを聞いた時は事故のタイミング的にも近かったのでゾッとしました。

車の運転免許と同様に船の免許も更新があります。小型船舶の場合は5年に1回ほど定期的に更新しなければなりません。

更新の際に講習会で教員が私たちに伝えることは海難事故についてがメイン。車の免許更新時も同じですが、講習を受ける教室では自動車事故のエグイ映像を見せられます。それと全く同じで海難事故の過去の事例が沢山映像で出てきます。

事故を未然に防ぐにはどうするか?または実際に遭遇してしまったらどう対応すればよいのか?そんなお話がメインになる。小型船舶に限っては2018年に国土交通省の規定が変わり、乗船する人に全員にライフジャケット着用の義務化が課されました。

ただ、そんな話をされてもお客さんとして乗船していた場合、事故を起こしてしまうのは船長本人。お客さんには関係無いことで、船長には海のことを専門的に知り尽くしているエキスパートとして完全に信頼を置いてしまう。その日に初めて出会う見たことも無い人なのに、その仕事に従事しているプロとして完全に信頼を置いてしまう。

これは別に船に限ったことじゃなくて、地下鉄もバスもタクシーも飛行機も同じこと。私達は日々、見ず知らずの人に自分の命を預けている。バスや鉄道は当たり前のように信頼関係の上に成り立っているけど、よく考えると恐ろしい事。だからと言って公共の交通機関をつかわないという選択肢はできないのがつらいところ。

少なくとも「自分や家族の身は自らの手で守る」という意識は忘れないよう、普段から心がけたい。もし防げるのなら、遭遇しなくていいもらい事故には出会いたくない、と消極的になってしまうがそれは良くない。

人生は常に冒険の毎日。事故のリスクを怖がっていては何も出来ない。消極性と積極性がぶつかる荒波の中の自分と毎秒戦ってる。生活とは白と黒のはざまで「活きる」(力を発揮する)ということ。船の話からスゴイ結論に脱線しましたけど、そういうことです。


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