Dear Glenn
昨日2022年10月4日はカナダ大使館にてGlenn Gould 90/40(生誕90周年、没後40年)というイベントを手伝いました。
グレングルードは1932年トロント生まれ、1982年10月4日没のピアニスト。バッハの再来と言われ特徴的なピアノ手法はクラシックにとどまらず、あらゆるジャンルのアーティストに影響を与えました。
今回のイベントではゲストにバイオリニストの宮本笑里さんなどを迎え、カナダ大使館のステージから世界へ向けてYouTubeで生配信されました。
特に注目となったのは、ヤマハ株式会社のAIピアノシステム開発担当、前澤陽氏が開発したシステムのお披露目。このシステムはAIにグレングルードの演奏を深層学習させ、譜面データを読み込むと、瞬時にグレンらしい音楽表現でピアノが自動演奏をするという世界初の技術。
これまでに100時間にも及ぶグレンのピアノ表現をAIに分析させ、学習をさせたそうです。これにより、グレングルードが生きていて、現代の曲を弾くとこんな感じになる・・・みたいな実験ができる。またAIの学習機能が進化すれば更に可能性は広まり、故人が新しいアルバムをリリースすることだって出来るかもしれない。そんな可能性を秘めているんです。
実際にAIの自動演奏を聞いた正直な感想としては、やはり機械の自動演奏なので鍵盤のたたきが固いこと。彼の奇抜な?演奏スタイルをあちこちに盛り込んでいるけど、音のタッチがもっと繊細だったら面白いことになる、というのが私の意見。近年目覚ましいAI発展を遂げているAI技術ですから、その点は時間の問題で数年後には解消されていると思いますが。
開発者の前澤先生の今後の取り組みと、AIの進化からは音楽人として目が離せません。
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