2023-04-11

DJの失敗談

今日は久しぶりに職業DJとしてのネタ。

信じられませんが、私は38歳という超スロースタートでDJを始めたこともあり、数え切れないほどの失敗談があります。38歳で本格的にDJをスタートし、同時に職業にしてしまうという無謀さ。そんな挑戦をする人は誰もいないでしょう。

それでも振り返ってみれば、今年でDJ派遣会社として15年目。会社として成り立っているのだから奇跡としか言いようがない。

そんな私が最も失敗をしたのは、やはりこのビジネスを始めたばかりの頃。ホームページなどから依頼が来て、現場のパーティーへ行ったはいいけど、思うように盛り上げられなくて帰宅後に落ち込んで夢にうなされることはザラでした。

どんな仕事も同じですが、サービスを提供する側はお客さんを満足できなければリピートされなく、リピートをされないと商売としては成り立ちません。

私が職業DJとして最も現場で鍛えられたのは、何と言っても米軍基地の中。海軍の横須賀基地、アメリカ軍関係者が住む池子住宅地、空軍の横田基地などがあげられます。私はラッキーなことに、そんなスゴイ場所で最初に経験を積むことが出来た。

一般的な日本のDJさんだと、クラブなどでプレイすることが多いと思うのですが、私の活動範囲はクラブではなく一般人のパーティーがメイン。だから1日に最低でも6時間とか、長い時は8時間くらいプレイすることもあった。

その中でも人が最も集まるコアタイムがあって、それが2~3時間くらい。ここでガッツリと盛り上げられなければ、その後の展開がつらいことになる。みんな帰っちゃってパーティーは早く切り上げ。そりゃ、せっかく依頼してくれた人は怒っちゃうよね。

今でも思い出すと隠れたくなるようなDJの失敗。それはメチャクチャ気合を入れて準備をしていた大型のウエディング案件。彼ら(アメリカ人)は何度も私と打ち合わせをして、絶対にパーティーを成功させたがっていた。海外のウエディングはDJの腕次第で成功もするし、大失敗もする。ウエディングの良しあしはDJ次第と言っても過言じゃないんです。

当時の私はまだ経験が浅かったのもあり、自分の価値観を提供していたんです。音楽と言うのは育った背景や時代によって、人さまざまの価値を持つ。それを自分の価値観だけで提供するとどんなことになるか?想像できます?

例えて言うなら、生魚をあまり食べたことが無く、生魚が食べれないアメリカ人に「このサバ美味しいから喰え」って押し付けているのと同じ。そんな時、良い料理人だったら彼らが好む食材を使って料理を提供するべきなんです。

具体的にそのウエディングパーティでは、少し高齢なカップルの結婚式で参加者は100名ほど。参加者はアメリカ人ばかりで、バカでかいホールのような会場に一晩中かけてファンシーな飾りつけを催していた。お金が相当かかっていることは容易に想像できる

結婚式のセレモニーをやって、ディナーの時間を挟み、いよいよダンスパーティーの時間になった。そこで私の出番が来る。

ウエディングと言うのは、参加している皆が楽しくなるような曲で盛り上げるという鉄則のルールがあるのですが、私が犯したミスは4文字熟語が炸裂の差別ソングとか女性軽視の歌。今考えたらあり得ないのですが、その時の自分はそんな行動に出ていた。

10分経っても20分経っても全然ダンスフロアに人が出てこない。私もムキになって「これでもか!」って曲を変えるけど、無反応・・・・しまいには参加者の何人かが私のところに来て「お前、ウエディングだというのに誰もダンスして無いじゃねーか」と言いに来る。そんな状況なのに「Fuck」とか「ビッチ」とかの曲を止めない私・・・

最終的には全然誰も踊らないウエディングになってしまった。あの時の新婦さんの悲しそうな顔が今でも鮮明に思い出せます。しかもギャラはちゃっかりもらって帰ってきたんだから最低です。

まあ、そんな経験もあるから今では絶対に外さないパーティーDJに成れたんですけどね。今思い出しても苦味しかない。これは本当につらい思い出ですが、そんな経験がまだまだあります。

当時迷惑をかけてしまったお客様には、心から申し訳なく思っています。DJとして経験不足な私が招いたダメパーティーの数々。また機会のある時に記事にしますが、正直あまり思い出したくないです。


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