2020-05-13

BGM 3つの効果と必要性

BGMは普段気にしなければ音楽さえ耳に入らないと思います。BGMとはバックグラウンドミュージックのことで、デパートやレストラン、オフィスやカフェなど至る所で使われていますが、BGMの効果を真剣に考えている店舗オーナーは少ないようです。

BGMの話をする前により深い解釈を得るためにBGNの話をさせてください。これはバックグラウンドノイズのことで、生活の至る所に潜んでいる「音」のこと。BGMは音楽を指し、人間が想像した地球上で最高の芸術に対し、BGNはキッチンなどの生活音や飛行機が飛ぶ音、人々のざわめきやカラスの鳴き声まであらゆるノイズを指します。これらを踏まえ、以下に3つの点でBGMの効果と必要性について話を進めます。

1 マスキングによるBGMの必要性

BGMの必要性はBGNの発想から成り立ちます。歯医者でキーンという歯を削る音が入口まで聞こえてきたら、子供恐怖で泣いてしまうでしょう。だから歯医者の受付では必ずBGMが流れています。これはBGMによるBGNのマスキング効果と言います。要するに音楽によって不快なノイズを軽減することが目的。

または料亭で食事をする際に極秘の商談があったとします。周りの人に会話を聞かれたくないにも関わらず、無音でシーンとしていたら会話が筒抜けになってしまいます。この状況をマスキングするのも気持ちの良い効果音(琴や尺八の音楽)の役目。

要するにBGMによるマスキングは生活音や不快音の消音効果や、プライバシーの保護が目的となります。

2つ目の効果:感情の起伏を促すこと。イメージを助長すること

これはエステなどでリラックスする際にヒーリングミュージックが流れていることで、お客さんにくつろぎ感を与えることや、高級なフレンチレストランで古いシャンソン音楽が流れていることで、より食事が美味しく感じたりする効果を指します。逆に高級なフレンチでハードロックが流れていたら、美味しささえ損なわれ何を食べに来たのか分からなくなるでしょう。

またイメージの助長については、映画の例が分かりやすいと思います。スピルバーグの出世作「Jaws」ではサメが近くに迫ってくると恐怖をあおる効果音が流れ、それを見ている人はサメがいなくても近くにサメが迫っているような感覚を覚えました。

演出では感動的な場面や、スリリングな場面などあらゆる演出にBGMが使われています。それはBGMが感情の起伏をあおり、観衆をコントロールするためです。

3 行動を誘導するのもBGMの成せる業

アメリカのスーパーマーケットである実験がされたそうです。それはゆっくりなテンポの音楽を流した時と、早いテンポの音楽を流した際で売り上げがどのように変化するかという実験。

結果は早いテンポの方はスーパーの滞在時間が短くなり、お客さんは不要なものを購入せずにスーパーを去りました。テンポの遅いBGMで行った実験では一人あたりのスーパーの滞在時間が長くなり、その分の買い物が増えたということです。この差はなんと30パーセントの売上げ上昇。この例でも分かるように、企業は音楽を利用した人々の心理について、もっと真剣に考えるべきです。

私も日頃からテナントやショップのBGMをチェックしており、これは職業病みたいなものです。そして感じることが、日本のショップはデザイン優先で音響に無関心ということ。そしてマッチしないBGMが平気で流れているということ。何とも悲しい状況です。

音楽のパワーをもっと知っていれば、売り上げや行動をある程度コントロールすることはできます。海外のブランド戦略を参考にすれば、その効果は歴然。DJとして確信しますが、もっと音楽を使った戦略を推し進める企業が増えることを願ってやみません。

以下、動画でも説明しております↓


にほんブログ村 音楽ブログ DJ(クラブ・ディスコ)へ

関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください