日本の童謡
東京に長く住んでいるアメリカ人は独自のコミュニティーを形成しており、その中で私自身もお付き合いが長い方が数名います。
本日紹介するのは、その中からGreg Irwin(グレッグアーウィン)さん。その昔DJとしてパーティーの依頼を受け、それ以来仕事関係でお手伝いをするようになりました。
彼はシンガーであり、その際の私の役目は彼の歌を音響マンとしてサポート。また彼がウエディングの司会者として居合わせたときは司会者と音響屋という関係になることも。そう、まったく意図しなくても偶然現場で一緒になったことが何回もあります。
彼が日本で有名になった仕事といえば、日本の童謡を英語で歌うこと。わかりやすく説明すると日本の童謡を歌うフランクシナトラとでも言いましょうか・・・
ちなみに、その素晴らしい声質から声優としても活躍されていて、誰もが一度は聞いたことのある東京ディズニーランドのオープニング時の声、JALの英語アナウンス、「You Got Mail」といった定番ボイスも彼の声なんです。
そして先日は彼が毎年開催しているクリスマスパーティーのディナーショーにて現場をご一緒させてもらいました。
ご来場されるお客様にはデヴィ夫人やケントギルバードさんもいらっしゃるパーティーで、お客様同士のつながりが品格のある人ばかり。私の役目はディナー中のDJと彼の歌のショーでの音響サポートをすること。
この日も十八番である日本の童謡が盛りだくさんで「赤とんぼ」、「紅葉」、「ふるさと」などクリスマスソングも交えながら極上の歌を披露してくれます。これが日本人として妙な気分にさせられるのですが、日本の心である童謡をアメリカ人に教えられるという摩訶不思議な関係性。
幼いころにおばあちゃんに歌ってもらった懐かしい童謡の数々を、今こうしてアメリカ人に心を込めて歌ってもらっている。そして会場を見渡すと老若男女を問わず、誰もが彼の歌に酔いしれている。日本にもこんな素敵な文化芸術があったのかと思い出させてくれるんです。
現代では滅多に触れ合うことのなくなった日本の童謡。仕事ではありますが、彼のサポートをさせてもらって考えさせらることが頭の中をグルグルと駆け巡ります。
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